――晴人は美咲と出会うことで変わっていきますが、中島さん自身が変わるきっかけとなった出会いを教えてください。

ターニングポイントは、僕が25歳の時に出会った佐藤健さんかなと思います。もともと好きで、演者さんを介して知り合えていろいろお話をさせていただき、「俺は今25歳だったらもっと勉強している。だからもっといろんなことを学んだ方がいいよ」と言われて、作品への取り組み方を考え直しました。「30代の生き方は今から考えた方がいい」ということも言われて、すごく記憶に残っています。今、自分はこうすればいいという道筋が少し見えて。レールに乗せられて走っていただけだったというか、これじゃダメだと思いました。

――本作や『彼女はキレイだった』などにうまく反映できたと思いますか?

思います。オスカー(「アカデミー賞」)に行けたことも大きかったです。ブラッド・ピットとレオナルド・ディカプリオが共演した『ワンハリ』(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』)を見てめちゃくちゃかっこいいと思って、『未満警察』はこのバディを目指したらいいんだと。平野紫耀と「ブラピとレオやろうぜ!」って感じで臨みました。自分たちが作品をクリエイトする価値の高さを改めて感じたので、『桜』もより多くの方に見ていただきたいと思いますし、『彼女はキレイだった』ではインスタグラムを始めてインスタグラマーでした(笑)

――動画も作られていましたね。

めっちゃ作りましたね。そういう時間が一番楽しいというか、映画やドラマを作っている時間、それを発信している時間が生きがいなんです。ブラッド・ピットも(立ち上げた制作会社)プランBなどで、いろいろ発したりする立場にいますが、そういうクリエイティブができる人間にもなりたいなと思っています。

――佐藤健さんの言葉をきっかけに、すごくいい方向に。

そうですね。あのときの言葉は残っています。だから、大切な日はいつも連絡しています。

――師匠のような存在?

そうですね。単純にカッコいいなと。「俺がアイドルだったらもっと本気を出してる」と言われて、やばいなと(笑)。「俺も本気なんです」って返しましたけど(笑)

■中島健人
1994年3月13日生まれ、東京都出身。2011年にSexy Zoneとして同名のシングルでデビュー。個人としては、2008年に『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』で連続ドラマ初出演、2013年に『BAD BOYS J』で連続ドラマ初主演。近年の主演作は、ドラマは『未満警察 ミッドナイトランナー』(2020)、『彼女はキレイだった』(2021)、映画『未成年だけどコドモじゃない』(2017)、『ニセコイ』(2018)など。2020年には、第92回アカデミー賞授賞式のWOWOW特番にスペシャルゲストとして出演し、現地のレッドカーペットで俳優や監督たちにインタビューした。