PRO TREKロゴに描かれているのはどこの山?

そして、PRO TREK MANASLUの歴史は現行モデルの「PRX-8000T」、そして25周年記念モデルPRX-8025Hへとつながっていく。その歴史を振り返って、竹内氏はPRO TREK の魅力を次のように語った。

竹内氏:PRO TREKを腕に着けることで、これから登山に行くんだっていう思いが高まります。ただ時間や標高を伝えてくれるだけではなく、私にとっては大切な体の一部。そして、私を頂上に押し上げてくれる、かけがえのない存在です。

小島氏:そう言っていただくと、私たちにもすごく励みになります。

そう言いながら、小島氏が一枚の紙を取り出した。そこに描かれていたのは、PRO TREKのブランド立ち上げ時から使われているPRO TREKロゴのオリジナル原稿(原本)。「PRO TREK」の文字とその背景に山のイラストが描かれたおなじみのマークだ。

  • PRO TREKロゴのオリジナル原稿(原本)

竹内氏:これはどこの山がモデルなんですか?

小島氏:伝え聞くところによると、登山を目指す方々の理想郷的な山をイメージして作っているそうです。

竹内氏:だとしても、マナスルにとても良く似た山ですよね。もしかするとマナスルなのかも。ちなみに、25年前というと1995年。私が8,000m峰14座のうち、最初に登頂したのはマカルーなんですが、それがちょうどこの年なんです。つまり、私の14座登頂の歴史はまさに25年かけて培ってきたもので、PRO TREKの歩みと同じなんですよ。そんなことも今日あらためて認識しましたね。

さて、コロナと共生する今後、いわゆるWithコロナの時代、竹内氏は自然との関わり方についてどのように考えているのだろうか。

竹内氏:過去の歴史を振り返ってみると、私たちの先輩である探検家や登山家の方々はもっと厳しい環境や状況の中、試行錯誤して探検や登山を続け、今日の私たちに受け継いできてくれました。ですから、今こそ私たちは先輩方から受け継いだ登山を、Withコロナという環境の中でどう続けていくか、この環境だからこそどう進化させていけるのか、それを試されているんじゃないかと思っています。Withコロナの中で登山がどう進化できるか、私たちは皆で試行錯誤してでも、知恵を出し合っていくことが大切ではないかと。それが登山を進化させるきっかけになると思っています。

  • コアな竹内ファンならおなじみ、5月にTwitterを使って行われた「#妄想エヴェレスト」のブローシャー。これも、山を楽しむ新しいスタイルのひとつかも