面接官が短所を質問する5つの理由
面接官はなぜ短所を質問するのでしょうか。その理由について5つにまとめて解説します。
短所を適切にカバーできているか
自分の短所をカバーする説明をするとき、そのカバー方法は適切かどうかを面接官は確認しています。短所から目をそらしたりせず、客観的に自分の短所を分析し、適切な対処ができているかどうかが重要です。
他人に支援をあおぐ場合も、主体的に自分で解決しようという姿勢が感じられるかどうかをチェックされていると考えてください。
短所を質問されても前向きな言葉で説明できるか
短所というネガティブな言葉を、前向きに表現して説明できるかという点も重要です。ビジネスでは、相手からネガティブな言葉をかけられても、前向きな言葉で会話のキャッチボールを進めていかなければなりません。
新卒の場合、完璧なビジネスコミュニケーションは期待されていませんが、少なくとも最後は前向きな言葉で締めくくるよう意識しましょう。
自分のことを客観的に把握できているか
人間だれしも完璧ではありません。長所と短所は表裏一体、自分の個性です。短所に対して対策を講じるには、客観的に自己分析をしてどうすれば短所を乗り越えられるのかを検討する必要があります。自分を客観的に観察する視点は、仕事を進めるうえで重要です。
自社の社風や職種に適合しているか
面接官は、求職者が自身の長所や短所を説明するとき、話の内容だけでなく説明する様子も観察します。その理由は、その求職者が自社の社風や募集している職種に合っているかどうかを判断するためです。
たとえば、技術系の職種なら、没頭しやすい・神経質・理屈っぽいという短所も十分活かせる場面があります。営業職なら、飽き性でもフットワーク軽く新しい顧客を開拓できるようなら問題ありません。
ごまかさず誠実に答えられるか
自分の短所はできれば口にしたくないものです。しかし、短所を言わずにごまかすと、面接官に不誠実な印象を与えてしまいます。正直に自分の短所を説明し、完全に克服できていなくても努力はしていることを説明できれば、誠実な人柄は伝わります。
面接で短所を聞かれた場合のOK回答
面接で短所を聞かれた場合、どのような受け答えをすればいいかについて、4点にまとめて解説します。
その会社の社風や職種に合った短所を説明
その会社の社風や職種に合った短所を説明しましょう。たとえば、営業職なら楽観的という短所は、気持ちをすぐ切り替えて前向きに対処できる長所となります。看護職なら、世話焼きや心配性という短所も、仕事上は長所として活かせます。
自分の短所をいくつか挙げてみて、面接を受ける会社の希望職種と相性のいい事柄を選び、自己PR文を考えるようにしましょう。
短所に対するカバー内容を説明
面接を受ける会社の業種や希望職種にあまり適さない短所を選ぶ場合は、その欠点をどのようにカバーするか説明します。そして、その対策は入社後も活かせるということまで説明が必要です。
例えば、技術職で抱え込みやすい短所を持っていると、問題点が出ても1人でいつまでも悩み、時間を浪費してマイナスになる可能性があります。この場合は、何らかのフォロー・対策を主体的に検討・実行できることをアピールしてください。
説明する短所をひとつに絞る
面接での自己PRは、1分をめどにまとめるとちょうどいいといわれています。文字数にすると300字程度しかありません。この短い文章で自分の短所を説明するときに、短所をいくつも盛り込むことは難しいでしょう。
300字とは、短所をひとつ厳選して、その短所をどう仕事に活かすかを説明するぐらいの長さです。短所を多く詰め込むと、短所を説明するだけで終わってしまうので気をつけてください。
繕わず客観的に答える
自分の短所を説明することは、心理的にかなりハードルの高い行為です。自分で克服しきれていないと思う短所なら、特に話すのもつらいかもしれません。しかし、現状を繕わず、自分の短所を客観的に答えることで、面接官は「この人は客観的に自己分析ができている」と判断するでしょう。
面接で短所を聞かれた場合のNG回答
では、面接で短所を聞かれたときにやってはいけない回答とはどのような回答でしょうか。NGパターンも確認してください。
「短所はない」と言い切る
人は誰でも短所を持っています。にもかかわらず「短所はない」と言い切ることは嘘をついている・ごまかしているのと同じことです。また、短所はないと言い切られてしまうと、面接官は、短所の説明で確認したかったこともチェックできなくなります。その分、査定にはいい影響を及ぼしません。
身体的特徴や疾患を短所として説明する
身体的特徴や疾患に関するマイナス面は、ほとんどの場合に自分の努力で簡単に改善できるものではありません。仕事面で活かせる長所として説明することも難しいでしょう。業務に影響を及ぼす持病については短所として扱うのではなく、別途会社に相談するべき事項です。
カバーできない短所を挙げる
身体的特徴と似ていますが、長所として言い換えることが難しい、カバーもできないという短所も、面接で取り上げるべきではありません。
欠点を工夫によって解決する過程を説明することが重要とされるなかで、カバーできない短所では対策や工夫の過程がまったく説明できません。最後に会社にどういう貢献ができるかも説明できず、自己PRとして成り立たなくなります。
自己PRに短所を活かして自分をアピールしよう
自己PRとして短所を取り上げる場合や、面接の質問で短所を聞かれた場合でも、自分をアピールすることは十分に可能です。短所を自覚しつつ、短所をどのように克服したか、克服できなくても努力をしているかを説明することで、誠実な人柄は十分にアピールできます。
自分の短所を客観的に見つめることはなかなか大変です。しかし希望の会社に就職するため、事前の対策は怠ることなく進めましょう。