◆Borderlands 3(グラフ11~16)
Borderlands 3
2K Games
https://borderlands.com/ja-JP/
さてここからのGame Benchmark。テーマは「1080Pで使い物になるか? ならないとしたら、どの程度の解像度なら使い物になるか」である。AMDは発表でも、Ryzen 3000Gシリーズ比で何%アップとかいう比率しか出しておらず、現実問題としてプレイできる性能が維持されるか、というのは不明であった。最悪720Pでもプレイ出来れば、それはそれでまだ救いはある訳で、そのあたりの性能を見極めたいという訳だ。
ということでBorderland 3の設定方法はこちらのBorderland 3の項目に準ずる。全体的な品質は「低」である。
まず平均/最大/最小フレームレート(グラフ11~13)を見ると、Ryzen 7 Pro 4750Gだと900Pあたりまではなんとか実用になりそうだが、1080Pはかなり苦しい感じ。Ryzen 5だとその900Pも厳しい感じになっている。実際フレームレート変動(グラフ14~16)を見ると、720PだとRyzen 5ならなんとか50fpsを維持していてそこそこプレイ出来そうだが、900PだとRyzen 7 Pro 4750Gでも厳しい感じ。1080Pだと、一応30fpsを超えては居るからプレイ出来なくはないだろうが、快適とは言い難い。
余談だが、Ryzen Pro 4000GシリーズではなぜかBorderland 3を終了しようとするとそのまま(DirectX 12画面のまま)異常終了してしまい、タスクマネージャすら前面に出せず、リセットするしかないという事態に陥る(Ryzen 3000Gシリーズは問題なし)。ドライバの問題なのか、ゲームの問題なのかは不明だが、ちょっと何とかしてほしい所だ。
◆F1 2020(グラフ17~22)
F1 2020
Codemasters
http://www.codemasters.com/game/f1-2020/
7月10日に発表された最新版。といってもゲームエンジンの重さそのものはF1 2019と大差ない。操作方法もほぼ同一であるが、一応設定方法を書いておけば
- Homeから右下のGame Optionsを選択(Photo01)。
- Game Optionsから"Settings"を選択(Photo02)。
- Settingsから"Graphics Options"を選択(Photo03)。
- Graphics Optionsからまず"Video Mode"を選択(Photo04)。
- Video Modeで解像度を選択(Photo05)。
- 解像度設定後に、Graphics Optionに戻り、"Advanced Setup(GRPHICS)"を選択。ここでDetail Presetを選択(Photo06)。
- Detail Preset選択後にGraphics Optionに戻り、Benchmark Modeを選択。ここでパラメータは特にいじらずに、"Run Benchmark Test"を実施(Photo0Graphics Optionsからまず"Video Mode"を選択(Photo07)。
- ベンチマークが自動で実施される(Photo08)。
- ベンチマーク終了後、結果が表示される。また結果はMy Gamesの下にも自動格納される(Photo09)。
といった具合で、F1 2019までと(見かけは違うが)操作はほぼ同じである。
ちなみに今回は
- 解像度 : 720P/900P/1080P フルスクリーン
- VSYNC : OFF
- Anti-Alias : TAA CHeckerboard
- Anisotropic Filter : Off
- Datail Preset : Ultra Low
の設定でテストを行った。
さて結果であるが、平均/最大/最小フレームレート(グラフ17~19)を見ると非常に有望そうに見える。実際1080PでもRyzen 5が平均で60fps超えである。なぜか最小フレームレートで低止まりしているが、これは後述する。
ということで、プレイできるか? というと「現状では厳しい」というしかない。これはフレームレート変動(グラフ20~22)を見ていただくと判るが、何というか昔のSSDのプチフリみたいに、煩雑に画面が止まるのだ。フリーズの時間はほんの僅かではあるのだが、プレイしてる側からすれば操作感を損なう事この上ない。先に、Ryzen Pro 4000Gシリーズだけ最小フレームレートがやけに下止まりしていると書いた理由はこのプチフリにある。
ただこれ、Ryzen 3000Gシリーズでは生じていないあたり、どちらかというとドライバの品質の問題な気がしなくもない。逆にこのプチフリさえ解消すれば、(QualityこそUltra Lowではあるが)Ryzen Pro 4000Gシリーズ(Ryzen 7 Pro 4750GのみならずRyzen 5 Pro 4650GやRyzen 3 Pro 4350Gですら)は1080Pでのプレイが楽しめると思う。
◆Metro Exodus(グラフ23~28)
Metro Exodus
4A Games
https://www.metrothegame.com/
設定方法はこちらに準ずる。今回はLowプリセットを利用した。
Metro Exodusの場合、後半のシーンが急激に重くなるので、ここがRyzen 7 Pro 4750Gでどこまでカバーできるか、というのが筆者の個人的な見どころだったわけだが、まず平均/最大/最小フレームレート(グラフ23~25)を見ると、平均フレームレートの時点で1080Pで快適にプレイ出来そうな気がしない。それでも900Pならなんとか...という程度だろうか。Ryzen 5も最小フレームレート(グラフ25)が30fps程度欲しい、という観点で言うと720Pが精一杯という事になる。
フレームレート変動(グラフ26~28)をみるとこれは明白で、こと80秒位までの範囲で言えば1080Pでもそこそこいけるのだが、80~90秒の範囲でもそれなりに、というと900PだとRyzen 7 Pro 4750Gが辛うじて。720PならRyzen 5でもなんとかなりそうだが、まぁその程度でしかなく、1080Pは夢のまた夢といった感じになっている。
◆Shadow of the Tomb Raider(グラフ29~34)
Shadow of the Tomb Raider
SQUARE ENIX
https://tombraider.square-enix-games.com/en-us
設定方法はこちらに準じる。QualityはLowestとした。
平均/最大/最小フレームレート(グラフ29~31)を見ると、もう1080P以前に720Pですら60fpsを切っている時点で、あまり快適さは期待できない感じだ。
それはともかくとして、ちょっと興味ぶかいのはこのShadow of the Tomb Raider(や、次のTom Clancy's The Division 2)では性能が
Ryzen 3 3200G < Ryzen 5 3400G ≦ Ryzen 3 Pro 4350G < Ryzen 5 Pro 4650G < Ryzen 7 Pro 4750G
という感じになっている事だ。要するにRyzen 5 3400GよりもRyzen 3 Pro 4350Gの方がやや高い性能を出している、というのは理由は判らないもののちょっと面白い。
フレームレート変動を見てみると、720P(グラフ32)だと、快適とは言わないまでもRyzen 5 Pro 4650GとRyzen 7 Pro 4750Gはなんとかプレイできるといったところ。Ryzen 3 Pro 4350G以下は厳しい。これが900P(グラフ33)になると、Ryzen 7 Pro 4750Gが辛うじてというあたりで、それ以外はちょっと無理である。1080P(グラフ34)に至っては、ほぼ全滅である。予想以上に1080Pの壁は高かった、ということか。
◆Tom Clancy's The Division 2(グラフ35~40)
Tom Clancy's The Division 2
Ubisoft
https://www.ubisoft.co.jp/division2/
設定方法はこちらの"Tom Clancy's The Division 2"に準ずる。QualityはUltra Lowとした。
平均/最大/最小フレームレート(グラフ35~37)を見ると、1080Pは流石に厳しいが、900PであればRyzen 5 Pro 4650G/Ryzen 7 Pro 4750Gならば行けそう、という感じに見える。Ryzen 3 Pro 4350G以下はちょっと微妙なところ。フレームレート変動で見ると、720P(グラフ38)はどれでもなんとかなりそう(Ryzen 3000Gシリーズでもギリギリ行ける感じ)だが、900P(グラフ39)だとF1 2020程ではないにしても細かくフレームレートが落ちる感じで正直Ryzen 3 Pro 4350G以下は厳しい。1080P(グラフ40)だと、Ryzen 7 Pro 4750Gでも正直厳しいだろう(細かくフレームレートが落ちなければそこそこプレイ出来そうだが)。
もっともこのフレームレートの変動はF1 2020とは異なり、The Division 2そのものがそういうものだから、もう純粋にGPU性能を引き上げるしか手はないだろう。
もっとも例えばVegaを10CUとかに増やしたら性能が上がるか? というと、恐らく殆ど上がらないというかむしろ下がるかもしれない。Renoirの場合ボトルネックはメモリ帯域であって、むしろこれを引き上げた方が効果的である。ただMobile向けはともかくDesktop向けでは定格3200MHzが上限であり、これ以上の帯域は望めない。この先はDDR5世代を待つしかないのかもしれない。