広色域表示対応の15.6型4K有機ELパネル
ENVY 15は15.6型のタッチ対応ディスプレイを搭載しているが、今回試用した最上位モデルを含め、上位モデルでは液晶ではなく有機ELパネルを採用している。有機ELパネルは液晶に比べて発色性能やコントラスト比に優れ、クリエイターをターゲットとしているENVY 15 15-ep0003TXにとっても最適のディスプレイといえる。そして、有機ELパネルだけでなく、細かな部分もしっかりクリエイター向けらしい仕様だ。
表示解像度は4K(3,840×2,160ドット)で、4Kコンテンツにも問題なく対応できる。ディスプレイは出荷前に全個体でキャリブレーションを実施し、ばらつきのない発色を実現するとともに、DCI-P3カバー率100%の広色域表示に対応。プロの映像クリエイターも制作に使える広色域だ。実際に写真や動画を表示してみても、非常に鮮やかな発色や、明るい場所から暗い場所までメリハリ強く表示できる点は、さすが有機ELパネルだと感じる。
専用ツール「HP Display Control」を使うと、表示モードをsRGB、Adobe RGB、DCI-P3へと瞬時に切り替えられ、コンテンツに応じて最適な色空間で作業が行える。こういった配慮もクリエイターにとってうれしい機能だろう。
そのほか、ディスプレイは10点マルチのタッチ操作に対応している。クラムシェルPCということで、ペンへの対応はうたわれていないが、タッチ対応で操作性を高めているのもポイントが高い。
気になる点があるとすれば、15.6型で4K表示ということで、等倍表示にすると文字の視認性が大きく低下するといったことぐらいだ。そちらも表示倍率を調節することで改善可能なので、大きな問題とはならないだろう。オフィスや自宅での作業なら、より大画面の外部ディスプレイを使うことでもカバーできる。
テンキーレスのゆったり配列キーボードで入力も軽快
キーボードはアイソレーションタイプ。キーボード面がボディ一体型となっているためすっきりとした印象で、このあたりも高級感を高めている。また、標準でキーボードバックライトも内蔵しているので、薄暗い場所での利用も安心だ。
15.6型ノートPCではテンキーを搭載する製品も多く、そうするとキーボードはやや窮屈になりがちだが、ENVY 15はテンキーレスのためゆったりしている。もちろん主要キーのキーピッチは約19mmのフルピッチとなっており、Enterキー付近まで均一なピッチを確保しているので、タッチタイプにもまったく問題ない。また、しっかりとしたクリック感と適度な深さのストロークがあるため、全体的に軽快な打ち心地という印象だった。
ただ、気になる点もある。例えば、Enterキーの右に一部キーを配置している点。慣れの問題や気にならない(むしろ独立キーが多いのは◎)という人もいるが、やはりEnterキーの右に間隔を置かずにキーを配置するのは、筆者としてはどうしても気になってしまう。
BackSpaceキーのすぐ上が電源ボタンなのも気になった。BackSpaceキーは頻繁に使うこともあって、間違って電源ボタンを押してしまうかもしれない。電源ボタンは少し離れた場所に配置してもらいたかった。
ポインティングデバイスは、クリックボタン一体型のタッチパッド。キーボード手前の一般的な場所で、パッドの面積が十分に広い。ガラス素材による滑らかな指触りと相まって、扱いやすさは申し分ない。おそらく通常はマウスを使うことが多いと思うが、例えばモバイルユースなど、タッチパッドを使う場面でもストレスなく操舵できるだろう。しかもENVY 15はディスプレイにもタッチパネルを搭載しているため、画面のタッチ操作も加えると、どういった場面でも思い通りの操作ができそうだ。