◆TMPGEnc Video Mastering Works 7 V7.0.10.11(グラフ9)
ペガシス
http://tmpgenc.pegasys-inc.com/ja/product/tvmw7.html
次は動画のトランスコード。今回は11296frameの4K動画(VP9)4枚を4KのHEVCに変換する処理時間を測定している。
ということで結果だが、第3世代Ryzenの性能の高さが顕著であることが明確に示されている。12 Core/24 ThreadのRyzen 9 3900Xはともかく、8 Core/16 ThreadのRyzen 7 3700XですらCore i9-9900Kを明確に上回る性能が出ており、Ryzen 7 2700Xからの性能の伸びも著しい。強いていうなら、Ryzen 9 3900Xの場合、1 Thread(全コアで同時に1本の動画のトランスコード)だと流石に無駄が多いようで、性能も14fps程度に留まる。ところが4 Threadだと16fps近くまで性能が伸びるのは流石である。ちなみにDDR4-3200の効果はそれほど高くない感じである(一応性能は改善している：なぜかDDR4-2933にすると性能が微妙に落ちるCore i9-9900Kと対照的なのも面白い)。
◆DxO PhotoLab 2 V2.3.0.23891(グラフ10)
DxO Labs
https://www.dxo.com/ja/dxo-photolab/
同様に写真のRAW現像も。こちらも結果は毎分辺りの処理枚数(ppm:pictures per minute)で示している。こちらのテストだと、Ryzen 7 3700XとCore i9-9900Kが同等というあたりで、Ryzen 9 3900Xはここから頭一つ抜け出した性能になっているのが判る。またこのテストではメモリの速度が結構性能に影響しており、DDR4-3200を強くお勧めしたい感じになっている(Core i9-9900KでもDDR4-2933にすると僅かとは言え性能が改善している)。
先のTMPGEncとかでもそうだが、こうしたメディアエンコード系では、第3世代Ryzenは恐ろしく強力なCPUになった、として良いと思う。
◆3DMark v2.9.6631(グラフ11～15)
FutureMark
http://www.futuremark.com/benchmarks/3dmark
今回ベンチマークをやってる途中でv2.9.6631がリリースされ、全部データ取り直しになったりしたのだが、まぁそれはともかく。ちなみにこのv2.9.6631ではPCI Express TestがFeature Testに追加されたが、利用するビデオカードがPCIe Gen3対応のGeForce RTX 2070なのでこちらは割愛した。またPort RoyalもあまりCPU性能に影響されそうにない(なにしろGraphics Testしかない)ので、こちらも省いている。
Overall(グラフ11・12)を見ると、これまではなかった「IceStormで第3世代RyzenがCore i9-9900Kを上回る」という珍しい結果になっているのが判る。
本来Physic Benchを除くとGPUの性能そのままになる(＝あまり性能が変わらない)筈なのだが、実際にはDirectX 11まではドライバの処理性能(ここがSingle Thread動作になる)でIntel系CPUが有利で、なので負荷が軽いIceStormでは半ばCPU Benchになっている感もあったのだが、ここで第3世代Ryzenが高い性能を出しているのは非常に珍しい。もっと言えばRyzen 9 3900XではなくRyzen 7 3700Xが最高速というのも興味深い。より負荷が高いテストではここまで明確な差はないし、グラフ12のFireStrikeの様にCore i9-9900K(なぜかDDR4-2666の方)が逆転するケースもあるが、総じて差は大きくないというか、ほぼ同等レベルと判断してよいスコアになっていると思う。
では、Physics Testの影響を除いたGraphics Testのみの結果は？ というのがグラフ13・14で、傾向としてはグラフ11・12より差が小さくなった感じである。ただ重要なのは、これまで明確にRyzen 7 2700Xだと性能が落ちていたテスト(グラフ13・14のIceStormとかNightRaid)が第3世代RyzenではCore i9-9900Kと差がなくなった事だろう。本来はGPUの性能を比較するテストであり、Ryzen 7 2700XではしかしCPUがボトルネックになっていたのだが、これが解消したという訳だ。
ではPhysics/CPU Testは？ というのがグラフ15。IceStorm/FireStrikeでは3種類のプロファイルでテスト内容が変わらない(＝結果もほぼ同じ)ので、平均値を示している。やはりグラフ11のIceStormの性能の高さは、Physics Testの結果が影響しているようだ。その他のテストは？ というと、モノによって変化はあるが、概ね第3世代RyzenはCore i9-9900Kと同等以上の性能、として良いと思う。
