無事に7月7日を迎え、AMDの第3世代RyzenとNAVIベースのRadeon RX 5700シリーズが発表になった。この新世代プラットフォームについて、まず評価の1発目は【CPU編】として、読者の皆様に一番関心があるであろう、第3世代Ryzenの性能をお届けしたいと思う。
>>【GPU編】の記事はこちら
「Radeon RX5700」と「Radeon RX5700XT」を試す - 第3世代Ryzen+NAVI徹底攻略
https://news.mynavi.jp/article/20190707-855531/
>>【Deep Dive編】の記事はこちら
Ryzen Deep Dive! 「Zen2」の内部構造を分析する - 第3世代Ryzen+NAVI徹底攻略
https://news.mynavi.jp/article/20190808-874103/
ちなみに今回はあくまで性能評価をメインとするので、内部解説を含む【Deep Dive編】は後回しにさせていただく(ぶっちゃけると、まだ全然データを取り終わっていない)。というか、両方まとめてリリースするとか、評価する方の身にもなってほしい>AMD。
◆評価機器
第3世代Ryzenとのラインナップはこちらの概要編でご紹介した通り、Ryzen 9が1製品(Ryzen 9 3950Xは9月なので、今回はまだ未発表)で、ほかにRyzen 7とRyzen 5が2製品づつである。今回評価キットとして届いた(Photo01)のは、「Ryzen 9 3900X」と「Ryzen 7 3700X」であった(Photo02)。
Ryzen 9 3900X(Photo03~05)とRyzen 7 3700X(Photo06)であるが、見かけはともかく内容物は一緒で、CPUとクーラー/デカール、それと簡単な説明書だけである。CPUそのものは従来のRyzenと全く一緒(Photo07)で、シルク印刷以外での区別は不可能である。
CPU-Zでの表記(Photo08~11)を見る限りは一応製品グレードに見える。Windowsからも問題なく認識できた(Photo12~13)。
この第3世代Ryzenと組み合わせる「AMD X570」マザーボードであるが、AMDからはASUSの「ASUS ROG CrossHair VIII Hero」(Photo14~Photo19)とMSIの「MSI MEG X570 GODLIKE」(Photo20~27)の2枚が届いた。今回は比較対象用のIntel Z390マザーボードがASUS製なので、ROG CrossHair VIII Heroを利用してテストを行っている。
その他の環境は表1に示す通りである。比較はCore i9-9900Kと、Ryzen 7 2700Xを用意した。それはいいのだが問題はメモリである。第3世代Ryzenは定格でDDR4-3200に対応しており、実際市場でもOCではない、1.2V動作のDDR4-3200メモリが入手可能である。実際、今回はCFDが販売するCrucialのDDR4-3200モジュールを用意しており(Photo28)、実際第3世代Ryzenではこれで動作する(Photo29)のだが、問題はCore i9-9900KとRyzen 7 2700Xである。
■表1 | ||
CPU | Intel Core i9-9900K | Ryzen 7 2700X Ryzen 7 3700X Ryzen 9 3900X |
---|---|---|
M/B | ASUS ROG STRIX Z390-F Gaming BIOS 1005 |
ASUS ROG CROSSHAIR VIII HERO(Wi-Fi) BIOS 0066 |
Memory | CFD W4U3200CM-16G (DDR4-3200 CL22 16GB×2) |
|
Graphics | ASUS TURBO-RTX2070-8G | |
Driver | GeForce Driver 430.86 DCH WHQL | |
Storage | Intel SSD 600p 512GB(M.2/PCIe 3.0 x4) (Boot) WD WD20EARS 2TB(SATA 3.0)(Data) |
|
OS | Windows 10 Pro 日本語版 Version 1903 Build 18362.175 |
Core i9-9900Kは最新BIOSでもなんとかDDR4-2933までで、DDR4-3000はもうアウト。Ryzen 7 2700XはDDR4-2666どまりであった。とりあえず今回の評価はCPU性能の差なので、できればメモリの速度は一緒に揃えたい。というわけで基準はDDR4-2666(Photo30)とし、それとは別にメモリをフルスピードにした場合の結果も参考として取ることにした。具体的には
Core i9-9900K+DDR4-2666
Core i9-9900K+DDR4-2933
Ryzen 7 2700X+DDR4-2666
Ryzen 7 3700X+DDR4-2666
Ryzen 9 3900X+DDR4-2666
Ryzen 9 3900X+DDR4-3200
の6つのパターンを測定している。
ビデオカードはこちらの速報記事でも利用した、ASUSの「TURBO-RTX2070-8G」を利用している。
またOSであるが、「Windows 10 May 2019 Update」でこの第3世代Ryzenへの対応が追加されているので、これに対応した「Version 1903」を利用している。
なお、以下のグラフでの表記は
i9-9900K :Core i9-9900K+DDR4-2666
i9-9900K(2933) :Core i9-9900K+DDR4-2933
R7 2700X :Ryzen 7 2700X+DDR4-2666
R7 3700X :Ryzen 7 3700X+DDR4-2666
R9 3900X :Ryzen 9 3900X+DDR4-2666
R9 3900X(3200) :Ryzen 9 3900X+DDR4-3200
となっている。
また本文中では解像度の表記として
2K :1920×1080pixel(Full HD)
2.5K :2560×1440pixel(WQHD)
3K :3200×1800pixel
4K :3840×2160pixel(UHD)
を用いている。