ハードウェアの新製品以外にも、2つ会場を沸かす発表があった。
1つは「100%再生アルミニウム」。今回発表されたMacBook AirとMac miniのユニボディには、リサイクルされたアルミニウムが100%用いられている。
Appleはサプライチェーンの「クローズドループ」実現という大きな目標を掲げている。クローズドループは、使用済みの製品を電子機器廃棄物として処理するのではなく、回収して素材を取り出し、リサイクルされた素材や再生可能な資源のみを使って新しい製品を製造する。有限な天然資源の消費を抑える取り組みだ。
アルミニウムは比較容易に溶解してリサイクルできるが、Appleの場合、素材に高い品質を求める。従来のスクラップ方式ではアルミニウム合金のみを分別しきれず、不純物が混入して品質劣化が起こるという問題があった。その問題をクリアして、Appleが求める品質のアルミニウムを100%リサイクルで調達できるようになったのだから、クローズドループ実現に向けた大きな前進と言える。
もう1つは「Today at Appleの新セッション」だ。ビデオ、音楽、デザイン、ラボセッション、Walkセッション、プロ向けも含めて、新たに60セッションが追加される。"6秒動画の魔術師" Zach King氏によるClipsアプリを使ったトリック動画のビデオラボ、Foster+Partnersのアーキテクトがデザインした建築の原理を伝えるラボ「Drawing Treehouse」など、ユニークなセッションが目白押しだ。
開始から18か月で、Today at Appleは世界中で週に18,000セッション以上が行われる規模に成長した。最新のApple Storeアプリでは、セッション・タブをタップするだけで、近くのストアで行われるセッションをSpotlightがまとめてくれる。また、ユーザーが所有するデバイスに関連したセッションを勧めてくれるので、セッションが増えても、自分が受講できるセッションを効率的に見つけられる。