繰り返しになるが、現状iPhone XSとiOS 12の組み合わせでは、eSIMが有効化されていないため、デュアルSIMを利用できない。しかし出張の度に日本と米国のSIMを飛行機の中で差し替えたり、端末を複数台用意しなければならなかった筆者にとっては、その煩わしい切り替え作業が不要になる可能性が高い。iOS 12がeSIMを有効化した時点で、出張の往復のたびに、暗くて狭い飛行機の中で息が詰まる作業をしなくても良くなる。

米国では現在、Verizon、AT&T、T-Mobileの大手3キャリアがeSIMのサポートを表明している 。日本の通信会社がどのようなサポートを展開するかは分からないが、現状のままで行けば、日本の回線のSIMを実際に差し込み、いままでSIMカードで利用してきた米国キャリアの回線をeSIMに書き込むことになる。

  • 米国ではSprint以外の主要キャリアがeSIMサポートを打ち出している

米国にいる際にはeSIM内の米国の回線を「デフォルト」に設定し、米国内の電話番号を主に利用し、データ通信も米国の回線を利用すれば良い。同時に日本の電話番号を待ち受けられるようにしておく。ただ、これまでもそうであったとおり、日本の番号で待ち受けていても、通常では着信を受けた場合でも高いローミング料を支払わなければならないため、これまでどおりSkypeなどでかけ直すことになるだろう。

日本に行く際には、今度は日本の通信会社の回線を「デフォルト」に設定すれば、日本の電話番号での通話とデータ通信をデフォルトで利用できる。同時に、米国の番号での待ち受けとSMSの受信に対応する。

米国ではSMS(Text)が用いられる場面が多い。具体的には、病院の予約の確認、配達のトラッキング、地域の警察の安全・事件情報などだ。米国外にいながら、米国のSMSが常に受信できる状態になっている点は、利便性が高いと言える。