DSDSとはDual-signal Dual-standbyの略だ。nano-SIMとeSIMを両方とも有効化して、電話やSMSを同時に待ち受け状態にできる仕組みだ。

  • DSDSはAndroidの世界では一般的だったが、ついにiPhoneもサポートした

例えば、日本国内で使用する場合、自分の電話番号と会社の電話番号を、1つのiPhone XSで同時に待ち受けにできるようになる。iPhoneの設定の中で、どちらを主回線とするか、どちらの回線のデータプランを使用するか、も選択可能だ。ちなみにデータ通信は1つのSIMでしか有効化できない模様だ。

iPhone上では、各モバイル回線にラベルを付けることで管理し、どの回線を「デフォルト」にするかを選択する。前述のAppleのサポート文書では「主回線」「副回線」というラベルと「デフォルト」という設定で説明されていて分かりにくいので、「個人」「仕事」というラベルを使った前提で説明し直すことにする。

例えば、自分の電話回線はnano-SIMで、会社の電話回線はeSIMでそれぞれ運用するとすれば、nano-SIMの回線に「個人」、eSIMの回線に「仕事」と名付ける。ちなみにラベルは自由に作成できる。

その上で、どちらをデフォルトにするかを選択する。例えば電話番号とデータ回線を自分の回線で利用したければ「個人」をデフォルトにすれば良い。「仕事」と名付けた会社の回線も通話とSMSを送受信可能だ。ただしiMessageやFaceTime、電話帳外の通話は個人と名付けた回線で行われるとしている。「仕事」をデフォルトに切り替えると、データ通信、iMessage/FaceTime、電話帳外の通話は「仕事」の回線で行われるようになる。

これとは異なるオプションとして、データ通信をデフォルトではない回線で利用するというものがある。Appleは海外旅行時に、デフォルトでiMessageやFaceTimeを使いながら、データはその国の有利なプランを利用する、といった場面を想定しているようだ。

これらのデフォルト設定とは別に、電話帳には、どの回線で通話を行うかを選択可能になっている。思ったより、フレキシブルな運用ができそうだ。