Apple Watchはこれまでも、スマートフォンの通知を受け取ったり、通話を知らせたりなど、情報を素早く手首で確認できる機能を追求してきた。一方で、小型のディスプレイでは表示できる内容が限られるという状況があった。

そこでApple Watchには、文字盤に小さな情報表示が可能になるコンプリケーションを用意し、文字盤をカスタマイズできるようにした。さらに、左右のスライドで文字盤を簡単に切り替えられる機能も実装させた。これにより、シチュエーションによって、便利な、あるいはその時の気分な文字盤を利用できるようになった。例えば仕事の際には次の予定が大きく表示されるモジュラー、エクササイズの際にはアクティビティ中心の文字盤、オフタイムは情報表示がないシンプルなアナログ時計、といった具合だ。

しかしながら、時計をスワイプで着せ替えられる楽しさを提供できるようにはなっても、文字盤の切り替えに面倒さを感じていたり、個人的な「決定版の文字盤」を見いだせずにいる人も少なくなかった。

そこでAppleは、拡大したディスプレイを生かして、最大9種類ものコンプリケーションを配置できるアナログ時計のフェイス「Infograph」と、大きなグラフ表示が可能な「Infograph Modular」を追加した。

  • 新ウォッチフェイス「Infograph」。文字盤の上半分は、円周に沿って文字が配置されている

  • 「Infograph」のカスタマイズ画面。8つのコンプリケーションと9つの表示領域が利用でき、1つの画面で非常に多くの情報が取得できる

Infographフェイスでは、丸や四角いコンプリケーションに加えて、時計の文字盤の弧に沿ったグラフを表示できる。UV指数、最高・最低気温、タイマーなどを、色とグラフで視覚的に表現可能になったのだ。設定数も大幅に増加している。

四隅にはインフォグラフ付きのコンプリケーションが4つ配置でき、文字盤の上半分は、弧に沿って文字列のコンプリケーションを置ける。また、文字盤の中にも4つのコンプリケーションが設定可能だ。

またInfograph Modularは、これまでも人気のあったモジュラーの中央部分のコンプリケーションに、株価や気温、アクティビティなどのグラフを表示したり、週間天気を並べられるようになった。グラフィック要素を、より大きなサイズで楽しめるフェイスと言えよう。

配置によってはとてもカラフルな文字盤に仕上がる可能性もあるが、Apple Watchをより機能的に利用する方法が提案された点は歓迎できる。もちろん、シンプルな文字盤も残されており、ONとOFFの時計の切り替えがより際立つことになるだろう。