9月21日に発売となるApple Watchの新モデル「Apple Watch Series 4」。本稿では、その先行レビューをお届けする。
2015年の発売以来、スマートウォッチとしてトップセールスを記録してきたApple Watchは、世界の腕時計の売上高でも頂点に立ち、腕時計の概念を大きく変革しようとしている。3年間維持してきたデザインは、今回初めて変更された。その意味と今後予想される展開についても見ていこう。
Apple Watchは一般的な腕時計の形状を取り入れてはいるが、丸い文字盤を採用せず、明らかに「それとは異なった存在であること」を意識させるようにしてきた。そこには、長い歴史を持つ腕時計に敬意を払いつつ、直接的な比較や競争を避ける狙いがあった、と解釈できる。
そのため、今回のデザイン変更に際しても、多くの人々が期待していた「丸形」のディスプレイを採用することはなく、引き続き、ディスプレイらしい四角いシェイプを纏うことになった。4年間で定着してきたApple Watchのアイコンを変えなかったことも、今後の基本路線に変更はないという強い意志がうかがえる。
丸い文字盤の機械式時計を真似なかった代わりに取り入れたのは、iPhoneの意匠だった。ディスプレイを端から端まで敷き詰め、角は丸く削り、ケース本体のシェイプと一続きにする。これはiPhone XSのオールスクリーンと同じコンセプトであり、Appleの最もパーソナルなデバイスとしてデザイン上の共通点を持たせた。
これまでの、38mm、42mmの2サイズ展開は、Apple Watch Series 4ではぞれぞれ40mm、44mmに変更された。ケースが大きくなったのに加え、エッジまで敷き詰められたディスプレイを採用したため、それぞれ画面サイズは30%以上拡大している。
なので、42mmを使ってきた人が40mmに乗り換えても、ディスプレイの小ささに不満を感じることはないだろう。薄型化され、よりすっきりとした着け心地で使用できるのではないだろうか。
筆者が試したのは44mmアルミニウムスペースグレーケースと、ブラックスポーツバンドの組み合わせ。ケースは2mm拡大したがフィット感に問題はなく、大きくはなっても薄型化により、装着した際のフォルムはさらに美しさが際立つという印象だ。ちなみに、44mmケースには、これまでの42mmケース向けバンドをそのまま利用できる。同様に40mmには38mmケース向けバンドが取り付けられる。以前から持っているお気に入りのバンドはそのまま使えるので安心して頂きたい。ただし、前述した通り、42mmケースのユーザーが40mmに乗り換えた場合は、おのずとバンドも買い換えなければならなくなる。この点は留意頂きたい。