iPhone、Apple Watchの登場が確実視される9月12日のイベントだが、Appleが2018年中に、どんな製品をアップデートしていく可能性があるのか、ラインアップを見ながら考えてみよう。
まず、2018年のこれまでに刷新された製品は以下の通りだ。
iPad(第6世代): 9.7インチの廉価モデルをApple Pencilに対応させ、349ドルに価格据え置き。教育向けに299ドルで提供。
MacBook Pro 13インチTouch Barモデル・15インチ: 第8世代Intel Coreプロセッサ搭載、13インチモデルはクアッドコア化、15インチは6コア化。T2チップを搭載し、ディスクの暗号化やブート時のセキュリティ向上、Hey Siri対応など。
また、現在販売されている製品で、アップデートされていないのは以下の通りだ。
- iPhone
- Apple Watch
- iPad Pro
- iMac
- MacBook
- MacBook Air
- MacBook Pro 13インチTouch Barなしモデル
- iMac Pro
- Mac mini
- Mac Pro
- AirPods
- HomePod
- iPod touch
- Apple TV 4K
加えて、アナウンス済みで未発売の製品はワイヤレス充電器「AirPower」となっている。 もちろん全ての製品が毎年刷新されるとは限らない。たとえばApple TV 4Kは現状、セットトップボックスとして唯一のDolby Vision・Atomosの双方に対応する製品というアドバンテージを誇っている。主力製品であるiPad ProやiMac、また発売から2年が経過しカテゴリとしても成長中の完全ワイヤレスヘッドフォン「AirPods」などは、新製品を投入して売上をさらに伸ばす商機と言える。
ただ、昨年イベントに参加した経験から、Steve Jobs Theaterの展示スペースのキャパシティと招待するプレスの数を考えると、場所をとるMacなどの製品を同時に発表、展示することは難しいのではないか、とも思える。
2016年は、10月末に改めてイベントを開催し、MacBook Proを4年半ぶりに刷新した。今年もMacやiPad Proに関するイベントを改めて開催する前提で、今回はiPhoneとApple Watchにフォーカスしたイベントとして開催すると見て良いだろう。
一方で、昨今Appleは、アナウンスを先に行い、後から発売するパターンも増えている。前述のAirPowerは、発表後1年、発売されなかった。さすがに1年は待たせすぎかもしれないが、1〜2カ月程度なら、顧客も待っていてくれるのではないだろうか。そのパターンなら、新製品が次々とという可能性もある。
果たしてどっちへ転ぶのか、日本時間13日午前2時を楽しみにしていただきたい。
松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura