今回、iOS 12でSiri Shortcutsをサポートし、よく行う複数のアプリを組み合わせた動作を、1回のSiriへの命令で行えるようになった。
これはクルマの中でも有効で、クルマに乗り込んでSiriに「自宅に帰る」と告げると、自宅までのナビを起動し、所要時間を取得してそれを家族に送り、お気に入りのプレイリストを再生するといった処理をしてくれる。
今後、アプリがSiri Shortcutsを意識した設計が施され、情報を受け渡せるようになれば、道を走っていて、例えば「コーヒーが飲みたい」と告げると、最寄りのスターバックスでショット追加のラテをオーダーし、そこまでナビしてくれる、といった連携も可能になる。
クルマの中で情報活用における競争領域は音声アシスタントへと移行する。そのためにAppleが揃えなければならないピースは、社内外にたくさんある。しかし、少なくともこの競争に、自動車メーカーや既存の車載機を作っていたメーカーが参加していないというのは、引き続き変わらぬ構造となるだろう。
松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura