しかし、まぁ、そこまで厳しい目で見なければ、G9 PROは本当によくできているカメラだ。ガチでぶつかるのはOM-D E-M1 Mark IIになるのだと思うけれど、使い勝手が「よりデジカメ的」なのはコチラ。LUMIXに共通のメニュー構成をはじめ、操作系全般のまとめ方がとてもスマートなのだ。そのあたり、E-M1 MarkIIは、よくも悪くもより“カメラ”らしく、でもデジカメとしては少々野暮ったい仕上がりであるともいえ、それはきっとメーカーとしての成り立ちの違いがそのままカタチになっているということなのだと思う。
志を同じくする同一規格の製品なのに各々がここまで個性的なのだから、カメラってホントにオモシロイ。そして、些細なことが撮っているときの気持ちを左右し作品の仕上がりにも影響を与えてしまうのが、写真の面白いところであり面倒くさいところ。だから、たぶん、写真をヤメられないんだろうなぁ。
著者:落合憲弘
「○○のテーマで原稿の依頼が来たんだよねぇ~」「今度○○社にインタビューにいくからさ……」「やっぱり自分で所有して使ってみないとダメっしょ!」などなどなど、新たなカメラやレンズを購入するための自分に対するイイワケを並べ続けて幾星霜。ふと、自分に騙されやすくなっている自分に気づくが、それも一興とばかりに今日も騙されたフリを続ける牡牛座のB型。2018年カメラグランプリ外部選考委員。