操作系は「他機のオイシイところ取り」である気配が濃厚。シャッターボタンの外周に配された電源スイッチ、ロックの有無を選べる撮影モードダイヤル、そのダイヤルの下にある連写モードの切り替えダイヤル……。操作系の多くが、どこかで見たことのありそうな位置であり、操作方法であり、使い勝手なのは、偶然なのか「松下電器の血」が息づくモノ作りの手法なのか。
個人的には、パナソニックがいち早く採用していた「右手親指で素速くAF-SとAF-C、MFの切り替えができる」スイッチの存在を昔から評価し続けている。AFモードの切り替えをけっこう頻繁にやる撮影スタイルゆえ、ファインダーをのぞいたままでも迅速、かつ確実に切り替えられる操作系がほしいのだ。そんなこんなで、ワタシは愛用のオリンパスOM-D E-M1 Mark IIも背面のレバーにS-AFとC-AFを割り当てており、心の片隅ではソニーのフルサイズEマウントαにも同様の操作性がほしいと考えていたりする。
測距点が親指のグリグリ操作で移動できるのもいい。ジョイスティックによる測距点選択は、もはや上位機種には必須の装備だ。一度、使うと絶対にヤメられなくなる。理屈じゃなくカラダが求めるようになってしまうからね。これぞ魔性の操作系。次期OM-D E-M1にも必須の装備でしょうな、こりゃ。
いざ使い始めてみると、メカシャッターのキレがよく、とにかく軽快。連写速度を損なうことなくAEブラケット撮影ができるのもイイ。撮りたいものに出会ったとき、直感的にシャッターを切るのがとても楽しいカメラに仕上がっているとの印象であり、さらには派手すぎず気張りすぎていない高品位な画質がそれを力強くバックアップしているところにも好印象。ISO3200レベルの超高感度域を含め、画質面ではAPS-C機にも大きく劣るところはないとの印象だ。