今回のWWDCでも焦点となっていたのは、macOSとiOSの融合だ。これについてAppleのシニアバイスプレジデント、クレイグ・フェデリギ氏は明確に「No」と答えている。macOSとiOSのそれぞれの特徴を、連携を強化しながら高め合うのを目指していく方針が今一度確認された。
しかしながら「No」であると発言したのを、満額で受け取って良いものか戸惑う。というのも、過去、Appleは「やらない」と言ったり否定してきたことを逆転させる歴史があったからだ。今回「No」と答えた理由は、Macプラットホームでの取り組みに対して、開発者に安心感を与えるためだという。
Appleにはそうする必要があった。特にwatchOS、macOSについては、Twitterなどの人気アプリが、その開発から撤退しており、デスクトップのネイティブアプリを活性化させる必要があったからだ。もっとも、人気アプリのデベロッパーはデベロッパーなりの戦略があるので、撤退の理由は様々であると言えるのではあるが(例えばTwitterであれば、ウェブでの体験への注力を選択した結果と推測される)。
しかしmacOSのネイティブアプリの充実は、Macの価値を高め差別化を図る上で重要な意味を持つ。macOSプラットホームを維持していく上では、アプリの充実は継続されるべき事項なのだ。