今回筆者はスキーワークアウトのアプリを試しに、サンフランシスコから北に4時間クルマを走らせたところにあるレイクタホを訪れた。

スキーやスノーボードは、そんなに熱心ではないなら、シーズンに多くて3回程度行くかどうかというところだろう。途切れるとなかなか行かなくなるもので、筆者がゲレンデに降り立ったのは実に10年ぶりのことだった。

「数少ないスキーのチャンスを、いかに良い思い出にするか」、アプリ開発の動機をそう語るのは、今回スキーワークアウトのAPIに対応したアプリを公開(アップデート)した「Slopes」の開発者Curtis Herbert氏だ。

  • Slopesは、滑り始める前にアプリのボタンをタップするだけで、滑走とリフトを識別し、滑走部分だけの消費カロリーや速度、距離などを記録してくれる

スキー滑走中にSlopesをApple Watch上で計測開始すると、あとは滑り終わるまで何の操作も要らない。自動的にリフトの利用と滑走を判断し、それぞれGPSを用いて位置情報を記録してくれる。

Appleが用意したスキーワークアウトのAPIからもたらされる情報は、以下の通りだ。

  • 消費カロリー
  • 総合滑走時間
  • 総合滑走垂直距離
  • 総合滑走距離
  • 滑走本数
  • 平均速度・最高速度

Slopesの場合、これらに加えてGPS情報を3Dで表示できる。

  • Slopesで滑り終わると、iPhoneでサマリーが確認できる。最高標高や最長連続滑走距離など、APIからもたらされる情報以外も確認できる

  • 滑走の3Dモデルでは、画面下部のタイムバーをスライドさせることで、その時間にどのあたりを滑っていたのかを再現できる

テスト当日は、ちょうど平昌冬季五輪が開催されていて、スキーの滑走はこうしたデータとともに観戦してきた。そんな経験があったこともあり、自分の滑走がまるで五輪の競技のようにデータで記録されたことは、非常に面白い体験だった。3Dマップは時間のスライダーを動かすと、自分の場所の点も動く。いつリフトに乗ってどの山の頂上まで行き、どのルートで滑ってきたのか、克明に残された記録をふりかえって楽しむことができるのだ。

  • どのアプリで計測しても、アクティビティアプリのワークアウトとして記録され、カロリーとエクササイズ時間はリングに追加される

  • Slopesが力を入れる「シェアカード」はスキー体験をSNSに投稿し、思い出を豊かに伝えるサポートをしてくれる

こうしたデータや3Dマップをソーシャルメディアに共有する「シェアカード」機能も、ゲレンデでの楽しみを伝え、より多くの人をウィンタースポーツへと導くきっかけになるとHerbert氏は語る。スキー滑走の楽しみが、ワークアウトとして、そして友人との思い出として、二重の意味を持つようになるのだ。