2月28日からアップデートが配信されたwatchOSには、Apple Watch向けのスキーやスノーボードのワークアウト計測が可能となった。これについてはいままでのワークアウトの実装と異なっており、またその活用もユニークなものなので、ご紹介しよう。
Apple WatchはSeries 3から高度計が搭載された。watchOS 4.2では、これらのセンサーを活用し、スキーの滑走を計測するためのアプリを作ることができるようになった。
これまでAppleはApple Watchに「ワークアウト」アプリを用意している。ウォーキング、ジョギング、サイクリングといった屋内外でのエクササイズから、エプリティカル、ローイング、ステアステッパーといったジムのマシンに対応したワークアウト、そしてプールで楽しむスイミングなどの具体的なワークアウトのアルゴリズムを開発してきた。
しかしApple標準のワークアウトアプリにはスキーの計測機能は存在していない。用意したのは、APIだけだった。
Appleは社内で、スキーやスノーボード滑走中の消費カロリーを計測するアルゴリズムを完成させている。また、その計測のために、Apple Watch Series 3のGPS、モーションセンサー、高度センサー、心拍計のデータを活用する仕組みを作り上げた。
Apple Watch Series 3向けに、Appleは250日以上のユーザーデータを集めた。これは実に滑走1,000本以上のテストが行われたという。テストは初心者から上級者まで、またスキー/スノーボード双方でデータが採られた。これは水泳の時もそうだったが、初心者よりも上級者の方が、同じ時間や距離を滑った場合、より効率的でカロリー消費は少なくなる。
アプリ開発者はこうしたスキー対応のカスタムワークアウトAPIを利用することで、自分でカロリー計算などのアルゴリズムを開発しなくても、スキーワークアウトの計測アプリを開発できるようになるのだ。