AppleのコントロールセンターにおけるWi-FiとBluetoothボタンの挙動については、こんな背景があるように感じる。
Wi-FiとBluetoothは、ネットワーク接続や機器間接続に利用するだけでなく、位置情報の補正やビーコンの活用、Macなど他のApple製品との連携、スマートホーム、Apple TVや近く登場するHomePodの活用、そしてAppleデバイス間でファイルなどを交換できるAirDropなど、広範にわたって活用され得る。iPhoneやその周辺にあるデバイスによる体験を最大限に実現するためにも、Wi-FiとBluetoothについては「常時ON」を標準としたいのではないだろうかと。
筆者はiPhoneとApple WatchやAirPodsをペアリングして使っているし、iPad ProとApple Pencilも組み合わせて使っている。これらを使うためには、iOSデバイスのBluetoothが常にオンになっている必要がある。また、iPhoneで作成を始めたメモをMacで仕上げる場合の連係機能を使用するためにも、Wi-FiやBluetoothがONになっていなければならない。
筆者の自宅でも、Wi-Fi接続が解除されていて困ることはいくつかある。スマートホームのコントロールや、Wi-Fi経由で単体でストリーミング音楽を再生できるSONOSスピーカーのアプリは、自宅のWi-Fiにつながっていなければ操作ができない。そのため、出先ではLTE通信を使っていても、自宅に帰るとWi-Fiが自動的にONになってくれるiOS 11の挙動は利にかなっているようにも感じられる。
Appleはインターネット接続以外にも、数多くの機能やデバイスでBluetoothとWi-Fiを織り交ぜたワイヤレス接続を使っており、「ワイヤレス機能の常時オン」は、Apple体験のなかで必要な標準設定になっているのだ。