加えて、アプリとの出会いの場であるApp Store自体も、問題解決の必要性がある。AppleはApp StoreにTodayタブを導入したが、そもそも毎日App Storeを見る人はどれだけいただろうか。

筆者は新しいアプリやランキングを見たりすることが多いが、家族でそうした習慣のある人はいないし、アップデートすべきアプリの数のバッジも2桁を上回った状態のままだ。そんな家族に話を聞くと、新しいアプリをダウンロードしようとApp Storeを開くのは、誰か他の人からアプリを教えてもらったとき、あるいは何かを調べたい、何かを計測したい、といったアプリで解決できそうな問題に直面したときが多いという。みなさんのApp Storeの起動頻度はどうだろうか。

App Storeのメディア化は、App Storeを単に必要なときだけに開く以上のアプリに変化させたい、というAppleの思いが込められている。もちろんその先には、より多くのアプリに触れる機会を創り出し、アプリ開発コミュニティの活発化と、Appleのエコシステムでアプリを開発することの優位性を開発者に感じてもらう、という良い循環を生み出すという目的がある。

App Storeのメディア化は確かに、毎日新鮮なアプリ紹介に触れられ、便利なアプリやお気に入りのゲームを見つけ出す手助けをしてくれるようになるだろう。ただ、App Storeを頻繁に開かない現在においては、App Store内のコンテンツが充実しても、開かれる要因や気づくきっかけを与えているわけではない。

App Storeが頻繁にプッシュ通知を送るのもどうかと思うが、例えばNewsアプリと連動するなど、なんらかの形でアプリに関する記事にユーザーが気づく工夫が必要だと筆者は考えている。