Intelは2017年に、Z370とX299をリリースした。X299の方は予定通りというか、本来出すべきBasin Fallsをそのままリリースしたということで、何も問題は無いのだが、問題があったのはZ370の方である。
Z370はCoffeeLake用というよりはKabyLake Refresh用として開発されたものを流用しており、本来はCoffeeLake用に開発されたものではなかったらしい。この結果として、もともとCoffeeLake用のZ SKUのチップセットとして開発されたZ390が2018年半は(6月前後?)に予定されているらしい。その他のSKUに関しては、CoffeeLakeコアの展開にあわせて、2018年第1四半期中に発表されると思われる。
いま現在、予定されているものは以下の通りだ。
- Consumer向け:H370/H310
- Business向け:Q370/Q360/B360
H370がH270、H310がH110、Q370/Q360がQ270/Q250、B360がB250のそれぞれ後継となる形で、このあたりは妥当なところだ。
Z370とZ390の違いはどこにあるのか
ではZ370とZ390で何が違うかというと、まだ変わる可能性はあるのだが、表1の様な違いがあるとされる。基本的なI/Oに関しては大差なく、PCI Express Gen4対応もこの世代ではなし。PCHから出るPCI Expressレーンも24本と変わらない。メモリもDDR4-2666までが公式の対応である。
チップセット | Z370 | Z390 |
---|---|---|
対応CPUコア | 2/4/6 | 2/4/6/8 |
対応メモリ | DDR4-2666まで | DDR4-2666まで |
オーディオ | Audio DSP | Audio DSP SoundWire Digital Audio I/F |
USB | USB 2.0/3.1×14 | USB 2.0/3.1×14 |
USB 3.1 | Gen1のみ | Gen1のみ |
Thunderbolt | Alphine Ridge | Titan Ridge |
Wireless | Option | Wireless-AC |
PCIe | Gen3 x24 | Gen3 x24 |
DMI | 3.0 | 3.0 |
vPro | No | Yes |
Power Management | C8まで | C10&S0ix |
違いとしてはIEEE 802.11acをチップセットに内蔵したこと、対応するThunderbolt 3のコントローラがAlphine Ridgeから、次世代となるTitan Ridgeに切り替わったこと、サウンドI/FとしてMIPI SoundWireが新たに追加されたことがある。
むしろ大きな違いとしては、対応CPUコア数が8コアまでになっており、これは将来のCoffee Lakeのオプションの中に、8コアが含まれていたことへの対応と思われる(実際にはCannon Lake世代まで持ち越しになりそうだが)。
またvProに対応とか、Power ManagementがC10&S0ixに対応といった項目も含まれる。本来C10とかS0ixはCore iシリーズの中でもノートPC向けの、それもPCH一体型のYとかUシリーズでのみ利用可能(というか、Desktopでやってもあまり意味がない)なStateだったはずだが、Coffee LakeではこのあたりもEnableにするつもりだったのかもしれない。
あるいは、Intel 300シリーズチップセットはノートPC向けのPCHをベースに構築するのが規定路線だった可能性もある。MIPI SoundWireへの対応もそれを裏付けている。規格上は極めてフレキシブルなSound I/Fであるが、現時点ではむしろ低コスト性が重要視されており、ノートPC向けなどで利用されている程度である。
ちなみに、他にOverclock性能をZ370よりも高めたとしているが、こちらは具体的な機能が不明なので現時点ではなんともいいがたい。
次期Core XはX299チップセット対応
ちなみにCore Xの後継製品であるCascade Lake-Xに関しては、いまのところX299チップセットで対応という話で、こちらを更新する予定はないようだ。
まぁPCI Express Gen4もやっと標準化が終わった段階で、恐らくは2019年までは立ち上がらない(現実問題としてはDDR5と歩調を合わせる形で、2020年まで延びるかもしれない)し、いまのままでのDDR4-3200が(公式サポートではないが現実問題として)動作するわけで、特にプラットフォームを入れ替える必要はないということだろう。