現状、キャリアとMVNOの契約内容は、法律や総務省が定めたガイドラインによって規定されており、現在のMVNOはすべてこれに従っている。このおかげでキャリアがMVNO契約を拒否できないという根拠になっているのだが、一方で契約が一律横並びになり、MVNOならではの特性を打ち出しにくいという問題もある。そこで、各社に総務省のガイドラインやMVNO政策についての所感を聞いてみた。
総務省に期待すること: mineoの場合
mineoからは、回線接続料の算定根拠について、もっと透明性を出してほしいという要望が寄せられた。算定根拠自体は公開されているのだが、より安価になる余地があってもいいはずだ。横一線だけでなく、ボリューム等に応じた柔軟性が重要だということだろう。
総務省に期待すること: BIGLOBEの場合
BIGLOBEからは、一律横並びではなく、MVNOごとの特徴を出せるような政策が希望された。たとえば現在の帯域コストは1日一律契約制だが、これをもっとフレキシブルに切り替えられないか、そうすることによって様々なサービスが可能になるのではないか、そういった議論の場が必要だと指摘。
総務省に期待すること: イオンモバイルの場合
イオンモバイルからは、キャリアのサブブランドや直轄のMVNOとその他のMVNOをもっと平等にするよう、総務省からの指導が必要だという指摘があった。サブブランドであっても、料金体系やサービス内容は他のMVNOと平等に行われるべきであるし、CMなども採算を無視して展開している可能性があり、きちんと単独でビジネスとして成り立っているのか、独禁法的な視点からも検証が必要だとした。
筆者の感想としては、MVNO市場はまだ成長過程にはあるが、再編の時期へと着実に向かいつつあると強く感じさせられた。数社で大半のシェアを占めている状況だけに、採算の取れないところから事業を清算していくことになるのではないだろうか。今回勉強会に出席していた3社は各社独自の強みを持ったMVNOだが、来年はそういった特徴のある経営ができていないところから徐々に淘汰されていくのではないかと感じた。来年以降、どのような動きが見られるのか、大いに注目したい。