続いてmineo、BIGLOBE、イオンモバイルの各担当者から、各社サービスの近況についての報告があった。

MVNO事業者の近況: mineoの場合

mineoは契約数が86万件を突破。2017年度内の100万契約という目標がかなり現実化してきた。先日まで紹介キャンペーンなどを実施していたが、キャンペーン中は女性の契約比率が40%を超えるなど、顧客の構成にも変化がでてきているようだ。前述した調査結果のようにシェアは順調に伸びているが、mineoでは今後もオンリーワンのMVNOを目指すとしており、その原動力である会員サイト「マイネ王」を中心とした運営は変わらず続けていくという。

2017年を振り返っての感想としては、FREETELの買収を例に、ある程度知名度や数が売れていても生き残れない市場であり、気を引き締めてあたりたいとした。

  • MMD研究所

    ユーザーイベントが多いのもmineoの特徴。これだけ定期的にユーザーイベントを開催しているのはmineoとIIJmioくらいではないだろうか

MVNO事業者の近況: BIGLOBEの場合

BIGLOBEは今年1月にKDDIに買収され、完全子会社となった。従来のドコモ回線に加えてau回線でのMVNOも開始し、一見サブブランドに近い立場に見えるが、KDDIグループとしては今のところUQ mobileに力を入れており、BIGLOBEとしての独立性は保たれている状況とのこと。動画・音楽配信サービスが無制限で使える「エンタメフリー」サービスが好評であり、エンタメフリーサービスのためにトラフィック制御や高速バッファリングといった技術も導入して体感速度を高めているという。

iPhone SEと6sの販売も開始しているが、今後は「今使っている端末が、SIMを変えるだけで安くなる」という「SIM替え」をキーワードにして、さらなる顧客増を目指すとのこと。2017年を振り返っては、キャリア各社の料金改定のインパクトが大きかったことを挙げていた。

  • MMD研究所

    いわゆるゼロレーティングサービスとなる「エンタメフリー」は主要な動画・音声ストリーミングをカバーしており、こうしたサービスを好む若年層には大きなインパクトがありそうだ

MVNO事業者の近況: イオンモバイルの場合

イオンモバイルは3大キャリアや他社MVNOも扱う「代理店」としての側面も持つ、ユニークな存在だ。自社サービスの販売ばかり頑張っているのではないかと思われがちだが、量販店での3大キャリアの販売実績は5位以内に入るほどであり、きちんと両立させているとのこと。全国に233店舗(ゲオモバイル15店舗を含む)の販売店網があり、そのほとんどが直営店であるという意味では、キャリア以上の存在だという(キャリアも大半は代理店であり、直営店は大規模店のみ)。

2018年に向けては、直営店での対面サービスや修理受付などを挙げ、「安心格安スマホ」という位置付けを定着させたいとしていた。

  • MMD研究所

    「特別なことは何もやっていない」と謙遜するが、流行の人気サービスは一通り抑えられているのがイオンモバイルの「安心感」を支えているといえるだろう