続いてホラー系VR動画「呪刻列車」に挑戦してもらう。これはスタートの操作以降はMRコントローラを使用せず、ディスプレイで表示される360度動画を眺めていく映像コンテンツだ。YouTubeやDMM VR動画を始め、360度動画はゲームに比べるとかなりの数が既に登場している。ウルトラマンが宇宙人と戦うのを至近から見上げて観るコンテンツなどもあり、面白いコンテンツを発掘する楽しみがありそうだ。

「呪刻列車」は、DMM動画で販売されている8分のVRコンテンツで、VRホラーイベント用コンテンツとして開発されたもの。このコンテンツだけだと、なぜ列車を舞台にしているのか分からないが、数年前にある事件があった路線で事件が起きた時刻にその車輌に乗り合わせると乗客に呪いが降り掛かるという設定になっている。

  • ホラー系VRコンテンツ「呪刻列車」。DMM動画で販売されている8分間のVRコンテンツで、VRホラーイベント用コンテンツとして開発されたもの。編集担当M氏は「まじ怖いっす」と慄いていた

「匂いがあるとリアリティ増しそう」 - S氏の感想:呪刻列車

ホラー系は余裕だと話すS氏に「呪刻列車」に乗ってもらった。しかしスタート直後から肩に力が入り、画面の中で落ち着きなく周囲をキョロキョロしている。時折ビクッと肩が揺れるので何か出たことが、そばで見ていて丸分かりだ。これは楽しい。終わるとホッとした顔でMRヘッドセットを外して微笑む。「突然大きい音が出たり、いきなり何かが近づいてくると驚きますね」。その強がりもナイスな反応だ。

「解像感がもっとあったら映像がリアルになって、もっともっと怖くなりますね。匂いなども体感できるとリアリティが増しそう」とS氏。S氏はMRがホラーだけでなく、ファンタジーとも相性が良さそうに感じたという。また、要望として「没入感があるので、(2Dの)プライムビデオとかダラダラ見たいです。ヘルメットにしてしまえば着脱しやすいと思いました」とコメントした。

  • 小動物系のS氏に「呪刻列車」を試してもらう。「あ、あそこから、な、何か出てきそうですよね…」(左)。「うわっ」と何かを避けるS氏。見ていて楽しい(右)

「あ! いま、足元に血が広がっています!(笑)」- Fさんの感想:呪刻列車

S氏と正反対の反応だったのがFさん。彼女は最初から最後まで笑っていた。

「お化け屋敷よりはびっくりするかもしれません。急に振り返ると何かがいたりと、お化け屋敷ではできない表現ができるので、作り手の工夫次第でもっと楽しめるはずですね。お化け屋敷やホラー映画に誰かと行くと、一緒に行く人が先に怖がっちゃって自分が怖がれないという人にも良いと思います。一人きりなので誰にも邪魔されずに怖がれますね」と、彼女なりに堪能した模様。

Fさんの指摘する通り、お化け屋敷やホラー映画では表現できない工夫がもっと盛り込むことはできるはず。今後、Fさんが怖がるコンテンツの登場に期待したい。

  • S氏と対照的な反応を示したのがFさんだ。爆笑するFさん。いま、彼女の足元には血溜まりが広がっている

「怖くて左右が見れません……(涙)」 - Oさんの感想:呪刻列車

最後のOさんは怖がりとのことなので、いつでもコンテンツをストップして良いと伝えた上で、敢えて「呪刻列車」を勧めさせてもらった。するとスタートしてしばらくしたところで「怖くて左右が見れません……(涙)」とフリーズ。リタイアを宣言する頃には、もはや幽体離脱している気分だったと言う。

これで終わりではあまりに申し訳ないので、Oさんにはイケメン執事がかしずいて世話してくれるVRコンテンツで機嫌を直してもらった。そんなタイトルまであるのだ。

「コンテンツのタイトルが増えてくれば、持っている人の家に遊びに行きたくなると思いました。プレイできるのは一人ですが、オススメされたその場で体験して友達同士で感想を言い合うのは楽しそう。スカイダイビングのコンテンツがあったらやりたいです」とOさん。なんと最後はC氏と同じ、寝転びながら使いたい派の意見となった。

  • 「呪刻列車」をスタートしたOさんはこのポーズのまま動かなくなり、途中でリタイアした(左)。機嫌を直してもらうため一人だけ「イケメン執事」というVRコンテンツをプレイ。イケメンの執事にかしずかれて喜んでいた(右)