飛行機撮影でパワーアップポイントを実感
AF追従24コマ/秒の連写は、RX10 M3の約5コマ/秒から大きく進歩した機能だ。これを頼みに、シャッターを数秒間押しっぱなしにする人もそうはいないだろうが、車やバイク、電車、飛行機、スポーツ選手など「高速で動く被写体」の「ここぞというシャッターチャンス」で切れる最大枚数が大きく増えたのは嬉しい。仮に0.5秒間連写した場合、撮影可能枚数はM3の2枚から、M4では12枚(!)に増えたことになる。より理想のタイミングに近いショットを狙える確率は飛躍的に高い。
そこで問題になるのが、AFの追従性。AFモードをAF-C(コンティニュアス)にして、フォーカスエリア「ワイド(315点)」で使ってみたところ、AF自体は噂に違わぬ爆速っぷり。あっという間に被写体に食いつき、そこそこ粘る……。一方、被写体でなく道路にがっぷり、みたいなことも決して少なくないので注意が必要。シャッターチャンスが来る前に早めに被写体をフレームに入れ、フレーミングを軽く上下に振ってやると、AFが被写体を認識しやすくなる。
フォーカスエリアワイドでのAF追従連写の一例。被写体付近をクロップした。左上端が1コマ目で、右へ2コマ目、3コマ目、左下が4コマ目と続く。5コマ目でフォーカスが甘くなり、6コマ目は完全にピントが抜けている。連写の間もフォーカスは常に考えており、最後は周囲の架線にピントが合ってしまった。こんなシチュエーションでは、フォーカスエリアを「フレキシブルスポット」や「ロックオンAF」にした方がいい |
フォーカスエリアを「フレキシブルスポット」にしてピント範囲を指定してやれば、より歩留まりが上がるのでは、とも思ったが……。被写体が飛行機などの場合、600mm相当の画角に対して被写体が速すぎて、精確なフレーミングを続けること自体が難しく、現実的ではなかった。なお、フォーカスエリアには子供や動物の撮影に適した「ロックオンAF」などもあり、使い込んでいけば、被写体や撮影条件に合わせて最適なものを選択できるようになるだろう。
ちなみにファインダーは、0.39型 電子式ビューファインダー。倍率こそ35mm判換算で0.70倍と普通ながら、表示が高精細かつ高速で見やすく、室内外を問わず違和感なく撮影できた。水平と仰角の両方に対応した水準器表示も非常に使いやすい。作例はすべてJPG撮って出しだが(色調整もクロップも一切していない)、多くの作例で水平がよく出ていると思う。なお、作例の掲載数が多いのは、飛行機でも「まぐれ当たりでなく撮れる」ことを証明するため。