冷たいスイーツはコンビニの得意商品

実は冷たいスイーツはコンビニのお手の物である。パフェやケーキ、シュークリームなど、多くのスイーツがかなりのスペースを確保している。マクドナルドの挑戦は「作りたての味わい」を提供することだ。コンビニなど、他社の商品にはない魅力を顧客に提供しようと試みている。

マックフルーリーの製造工程を見ると、攪拌は短時間で高速だ。ソフトクリームはもともと空気を多く含んでいるのだが、この工程により、さらに多くの空気を内包することとなる。この加工により、まろやかな口当たりと溶けやすい状態を獲得したソフトクリームが、マックフルーリーの基本となる。

完成品として店舗に並ぶスイーツでは、「作りたて」や「出来たて」の味わいを求める顧客の要望には応えきれない。「出来たて」という点において、マックスイーツはコンビニスイーツに対し、商品の差別化・価値創りの面で一歩リードしている。

「出来たて」という商品価値がコンビニスイーツとの差別化ポイントだ

マックフルーリーはマクドナルドの可能性を広げるか?

マクドナルドがハンバーガーをメインとする業態であることは疑問を挟む余地がない。かつてはコーヒー専売店と覇を競うため、「マックカフェ」として新しい業態を展開しようと試みたが、商品設定や価格設定が顧客の支持を得られず、事業縮小を余儀なくされた。今はハンバーガーショップという業態の中で、多くの顧客の支持を獲得できる商品設定に取り組んでいる。

マクドナルドでスイーツを楽しむ、という選択肢を消費者に認知してもらうために、同社では先頃、熱いスイーツである「シナモンメルツ」とコーヒーのサンプリングを実施。ハンバーガー店でアイドルタイムとなりがちな午後のカフェタイムを強化しようと大量のコーヒーを無料で提供した。

7年ぶりに復活した「シナモンメルツ」とプレミアムローストコーヒー。マクドナルドはシナモンメルツ復活にあわせて、コーヒー1.3億杯の無料キャンペーンを展開し、カフェタイムの集客強化を図った