幅広い知識と情報に触れられる場所

午前中は史上2番目に月面歩行を行った宇宙飛行士バズ・オルドリンのキーノートスピーチを聞く。バズは過去の経験談をユーモアたっぷりに披露しつつも、御年87歳にしてこれから叶えたい夢があるのだと熱く語り、来場者には「夢を叶えるにはあきらめないことだ」と説いていた。

宇宙飛行士のバズ・オルドリン氏がキーノートスピーチに登場

ラウンジのフリーフードコーナーには無料の軽食とドリンクがあるので、軽い昼食をとり、午後からはmaker's spotへ行く。ここでは自治体や国際協力機構(JICA)のような公的機関の担当者がスタートアップ向けの支援策を紹介している。国境を越えて起業の場を求める人たちは耳寄りな情報が得られるかもしれない。

会場内のフリーフードコーナー(写真左)。ドライフルーツやオーガニックナッツバーなどを無料提供する。ドリンク類も無料で、ジュースはチャリティー付きのものを提供。全体に“意識高い系”のテイストだが、屋外に設置された有料の飲食ブース(写真右)は一転してラフでくだけた雰囲気だ(画像提供:Daimler AG)

また、creater's spotでは事前登録した参加者が「AIとCar2GO」をテーマとするハッカソンに取り組んでいる。ハッカソンは数カ月前からネットで募集をかけていたそうで、ドイツ国内の大学生・留学生を中心に、各国の若手が100人近く集まっていた。日本からは唯一、関西の男子大学生が参加。英語での議論には苦労したそうだが、新しい挑戦に得るものも大きかったとか。フランクフルト2泊3日分の宿泊代と食事代、近距離交通費、me-convention入場パス、そして緑色のおそろいのパーカーはすべてダイムラーの支給だ。

ハッカソン参加者はお揃いのパーカーを着用。20代の若者が大半を占めていた(画像提供:Daimler AG)

creater's spotの横の通路を抜けると、insight stageの入口がある。ここでは音楽で福祉活動を展開するミュージシャンや、3Dプリンタやレーザーカッターなどを使ったプロトタイピングを研究するMITのポスドクなど、若手のスピーチが聞ける。登壇者との距離も近く、スマホアプリを使って質問をすることもできるので臨場感があっていい。

かっちりとしたスピーチやセッションを希望するならforum stageへ。NVIDIAのエンジニアから人権活動家、現代芸術アーティスト、AIの研究者、チベットの僧侶まで、実に幅広い有識者の話を聞くことが出来る。

17時を過ぎるころにはフリーフードコーナーでビールの提供が始まる。ラウンジのソファで隣り合った人に声をかけて、今日の感想を交換するなんていうのも楽しい。

隣に座った中国人の若い女性はメルセデスに勤める友人に誘われて来場したそう。彼女自身はドイツの大学に留学中で、マーケティングを学んでおり、クルマに興味があるわけではないとのこと。ただ、プログラムはどれも面白く、AIの講演が印象深かったという。

……こんな風にして1日が過ぎていく。