NECの顔判別技術で「顔パス決済」

NECとSMBC(三井住友銀行)ブースで展示されていたのが、NECの顔判別技術を応用した顔パス決済だ。あらかじめ登録しておいた顔画像+決済方式で処理するため、現金やカードを出す必要もなく、スムーズに取り引きできる。

ベースとなるNECの顔認証技術は、米国・国立標準技術研究所のFace in Video Evaluation (FIVE)で4年連続で認識率第一位という実績を持っている。NECブースでは、ノートPCでも「この程度はできる」というデモに加えて、4Kカメラからの動画を用いた専用環境下で多数の同時「顔」判定が可能というビデオを流していた。

顔パス決済の実証実験は、社員食堂で行ったそうだ。事前に、スマホアプリを使ってカード情報と自撮り写真を登録するだけで準備完了。「顔の特徴点を利用するため、"変顔"で登録しましたが、普通に決済できました」(スタッフ談)。

社員食堂のような特定多数はともかく、不特定多数に対してどうやって登録をするのかと思っていたが、手持ちアプリで登録可能ならば意外と早く普及するかもしれない。利便性と安全性のバランスが求められる。

展示されていた顔パス決済の決済機イメージ。入力品質を均質化するためか、外付けのWebカメラを使っている

NECの画像認識リアルタイムデモ。ノートPCでも処理できるという内容で、説明員を不審者として登録してある。アラートポップアップを見ると、明るさも傾きも違うが同一人物として判断している

計算能力を高めたシステムに、4K動画を入力して判定させているビデオ説明。この画像だけで40人近い人物を判断し、かつチェックリストに入っている三名が色つきで表示されている

ウェアラブル機器や小型デバイスに、安全なリチウムイオン電池を

充電可能な電池を小型機器に搭載する場合、現在はパック型のリチウムイオン電池が一般的だ。しかし、ラミネートフィルムでパックされたリチウムイオン電池は、劣化にともなって膨らむという問題を抱えている。

太陽誘電ブースでは、全固体リチウムイオン電池のプロトタイプを展示。積層構造にすることによって、大容量や大充放電レートにも対応し、「釘を刺しても割れるだけ」と高い安全性をアピールしていた。

パナソニックブースは、直径3.65mmと極めて細い金属管に入った小型ピン型リチウムイオン電池を展示。一番小さいものは、すでにウェアラブル機器で採用されているという(容量の大きな製品が今後量産化される)。

太陽誘電の全固体リチウムイオン二次電池。多層構造で高容量と高充放電を両立。炙っても釘を刺しても火をかざしても、安全ということをアピールしていた

コイン型電池のサンプルも展示

パナソニックの小型ピン型リチウムイオン電池。左は非接触充電対応にもできるというサンプルで、右はすでに採用されている「Fitbit Flex 2」