もう1つの新製品、Apple TV 4Kは、その名の通り、4Kに対応する高画質ビデオ再生をサポートする。同時に、ドルビービジョンとHDR10の2つの規格のHDR再生をサポートし、解像度、色再現の面で、大幅な高画質化を図った製品だ。
Apple TV 4Kの登場に合わせてiTunes Storeでの映画配信についても、4K HDR化が行われる。すでに購入している作品についても、4K版が登場すれば、無料でアップグレードされ、高画質での再生を楽しめるようになるという。
Apple TVにはこれまでA8プロセッサが搭載され、ビデオだけでなくApp Storeを介したアプリの実行もサポートしてきた。新たなApple TV 4Kでは、A10X Fusionが搭載され、処理性能2倍、グラフィックス性能4倍と、大幅な性能アップを実現した。このプロセッサは、6月に発表されたiPad Proシリーズに搭載されているものと同じだ。
Apple TV 4Kは、iOS傍系として、最も解像度の高いディスプレイ表示を行うデバイスとなった。4Kのテレビの解像度は、iPad Pro 12.9インチのディスプレイよりも高精細となっており、iPad Pro並の処理能力、グラフィックス性能を備える点は納得できる。
見方を変えると、iOS近親のアプリの中で、最も高画質で出力することができるデバイスもまた、Apple TV 4Kということになる。
現状のApple TVに対して、他のゲーム機のような投資をする開発者が現れているわけではないが、意欲あるデベロッパーが、非常に美しい表現を、4Kに対応するApple TV向けに披露したり、高精細3Dグラフィックスを用いたゲームをリリースすれば、それなりの注目を集めることができるタイミング、と言えるだろう。
Apple TV 4Kは、iTunesの他に、NetflixやAmazon Primeビデオなどの4Kをサポートするストリーミングサービスでも、高画質の映像を楽しめる。同時に、「アプリの4K化」という新たな可能性に目を向けるきっかけを与えてくれている。