繰り返しになるが、iPodは無料のストリーミング型の音楽聴取スタイルへと時代の変化があったことで、その終焉を迎えた。となると、Apple Watchの同期型音楽プレイヤーとしての機能は、現代の音楽のスタイルにフィットしていない、ということになる。

「無料で」という部分はApple Musicを運営する限りあり得ないだろうが、「同期しなくても気軽に音楽を楽しむ」という要素を用意できなければ、ミュージックプレイヤーとしての機能はほぼ使われなくなってしまうことになる。

つまり、Apple Watchに音楽機能を持たせ続ける限り、ストリーミング音楽に対応しなければならないということだ。その方法は、Apple Watchに、セルラー通信機能を持たせることだ。

GoogleはAndroid Wear 2.0で、スマートウォッチ単体でのLTE通信をサポートし、スマホがなくてもGoogle Play Musicなどのストリーミング音楽が楽しめる仕組みを、ソフトウェアとして提供した。ただAndroid Wearの影響力が市場でさほど大きくないことをいいことに、Appleから対抗するようなアイディアは今のところ特に提示されていない。

市場での存在感はいまひとつなAndroid Wear

ただ、8月に入ってBloombergなどは、Appleが2017年内に、LTE通信に対応するApple Watchを準備していると報じており、次期モデルでセルラー通信機能が搭載されるのではないかという見方が広がっている。

もちろん音楽機能だけのための搭載ではないが、iPhoneに頼らずLTE通信ができるようになれば、Apple Watchだけでストリーミング音楽を楽しめるようになり、Apple Watchの音楽機能は「使われるもの」として存在感を高めることになるはずだ。