直近の調査によると、AppleユーザーでHomePodについて高い購入意向を示しているのは20%未満、という数字が伝わってきた。スマートスピーカー市場で重要視されるのは、現在のところ価格。音声の認識精度を気にしている人は、価格重視と答えた人の半分に留まっている。この点も、AIスピーカーが期待されていないことを裏付けている。

アナウンスされた価格は349ドル

AIスピーカーのトップメーカー、Amazonは、Amazon Echo Dotの約50ドルから、前述のディスプレイ搭載モデルとなるAmazon Echo Showの229ドルまでの価格レンジで展開している。またGoogle HomeはAmazon Echoよりも70ドルほど安い129ドルだ。

これらの製品と比較すると、AppleのHomePodの349ドルという価格は、お世辞にも競争力がある製品とは言えない高付加価値製品だ。Appleの昨今の各製品ラインアップにおける価格戦略、そしてiPhoneもスマートフォン市場の中で価格重視の製品でないことを考えると、高付加価値製品として打ち出すAppleの戦略にはブレてはいない。しかしこの金額では爆発的な普及を見込むことも、現状難しいのではないだろうか。

Appleはこの値付けについても、上手い説明をするだろう。すでにiPhoneで、人工知能アシスタントを利用できる環境を持っており、パーソナライズが進んでいる。そのため、HomePodを求める人にとって、HomePodがSiriとの初めての接点ではないのだ。これが、低価格でAlexa対応デバイスを大量に普及させなければならないAmazonとの違いといえる。

HomePodもあくまでiPhoneのアクセサリというポジションで、余裕を持って品質の高い製品に取り組んでいこう。そんな姿勢が伺える。