Appleによると、シンプルな機械学習モデルの適用であれば、アプリの中に3行ほどのコードを書けば実現できるとしている。シンプルな実装方法も、CoreMLの魅力と言える。
しかしCoreMLにもできないことがある。現在のところ、CoreMLは、学習モデルの再学習を行う環境を用意しているわけではない。つまり、アプリが実行されていく中で自律的に学習し、モデルが育っていくわけではない、ということだ。
これについても、プライバシー上の配慮が関係していると考えられるが、もしアプリの利用者のデータを使って学習モデルを育てたい場合、ユーザーに同意を貰って、そこで取得したデータをを次のバージョンに対して適用する、という手順を踏む必要がある。
CoreMLの次の発展目標が「データの匿名化と学習への活用」となることは想像に難くない。Appleは今後の拡張で取り組んでいくことになるだろう。
とはいえ、パターンをあらかじめアプリに組み込むモデルとして用意しておけば、ユーザーの行動パターンに応じた結果を返すということは可能だろう。前述のSiriの例では、アクティビティの消費カロリーのゴールが500kcalで、夕方までに350kcalを消費しているとしたら、150kcalを消費できる「30分のウォーキングをしませんか?」という提案ができる。
ここからは「もしやるなら」という実装の話だが、雨が降っていたら、屋内でのエクササイズを提案することも可能だし、そのユーザーが頻繁に行っているエクササイズに重み付けをして提案することもできるだろう。