AppleはWWDC 2017で、一体型のハイエンドコンピュータ、iMac Proを発表した。発売は2017年末になるが、27インチ5KディスプレイのiMacのボディに、最大18コアのIntel XeonプロセッサとRadeon Vega Graphicsの組み合わせを積み込み、これらが快適に動作するよう、廃熱についても手を加えた。ボディはスペースグレーで、プロ向けの雰囲気以上に、どこか強大な力を象徴するような面持ちを見せる。iMac 27インチのグラフィックス性能の2倍を軽く超えるパワーを誇る存在だ。

iMac Proが存在することで、よりハイエンドな作業はiMacの出番ではなくなるのではないか、と思われるが、その心配はないほど現在のiMacのパフォーマンスも高められている。例えばよりシリアスな8Kビデオの編集となると、iMac Proの出番かもしれないが、VRであれば、iMac 27インチで十分な制作環境を構築できる。MacBook ProでのVR編集や再生を実現するためには、外付けのグラフィックスボックスに頼って、グラフィックス性能を盛ってあげる必要があるが、iMac 27インチではそれがないそうだ。

iMac 27インチは、自宅にあるだけで、その美しいディスプレイに圧倒される。しかも、なにかを創造したいと思ったとき、非力さゆえのストレスを感じることもない。その美しいディスプレイの中に、アイディアを紡いでいける、そんな力強いパートナーとなるだろう。

松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura