Appleの開発者会議「WWDC17」が5日 (現地時間)にスタート。基調講演の終了後、報道陣向けに今回発表となったiPad ProやHomePodなどのハンズオンが実施された。開発者会議であるので、iOS、macOS、watchOS、tvOSの4OSを中心に技術的な話題がメインとなると思われていたが、今回は、予想以上に多くのハードウェアが投入されるという展開になっている。
iPad Proは、12.9インチと10.5インチという2モデルとなった。10.5インチの方は、従来の9.7インチモデルよりも一回りくらい大きいが、厚さは同じ。重さも9.7インチモデルと比較して、Wi-Fiモデルで22gの増加(469g)に止まっている。最大の変化はディスプレイ。ともにRetinaディスプレイを搭載し、120Hzのリフレッシュレートに対応。輝度600ニトの広色域ディスプレイ(P3)となっており、反射防止コーティングによって反射率が1.8%に抑えられている。画面をサーっとスクロールした際のちらつきが驚くほど少なくなっていて、色もより鮮やかになったという印象だ。
ハンズオンコーナーに置かれていたデモ機にはiOS 11がインストールされていて、早速、新機能を試すことができた。Dockにはいくつもアプリを置いてそこから起動、Slide OverとSplit Viewがフレキシブルに使えるようになった上、ドラッグ&ドロップができるようになったので、感覚的にはMacを触ってるようである。この辺、やっぱりApple上手いなと唸らされる。これまではどちらかというと、iOSの体験をmacOSへ持ち込むことで、iPhone/iPadのユーザーをMacへ誘導するという戦略を採っていたが、反対にmacOSからの機能を移植することで、iPadをより、パソコンらしく使えるようにしたのだ。Macを使ってる人でも、そうでない人でも、直感的に作業できるし、プロフェッショナルな現場で欲しかった機能が入ったことで、利用シーンがさらに広がっていく構図が見える。
本体だけでなく周辺機器も強化。画面の保護カバーとしても使える「Smart Keyboard」に、遂に日本語キーボード(JIS)が追加された。日本語話者には、ちょっと使うの厳しいかなというところがあったSmart Keyboardだが、一気に導入のハードルが下がった感がある。Smart Connectorにくっつけるだけという簡便さで「買い」だと思ってはいたが、日本語キーボードないのに1万数千円出せる?という気もちょっとだけあった。だが、これで躊躇なく選べるしお勧めできる。間違いなく生産性は上がる。