日本市場向けという意味では、製品としてはまったくの未知数ながら、注目を集めているのが「LINE」が開発している「Clova」だ。これは今年3月にスペインで開催されたMWCで発表された人工知能プラットフォームで、LINEと韓国・Naverとの共同開発とされている。ClovaはLINEやNaverが扱ってきた大量の日本語コンテンツから学習することで、日本語の認識率がかなり高いことが期待される。特にLINEはコミュニケーションプラットフォームであるため、大量の会話データを保持している。これをもとに学習すれば、会話に非常に強い人工知能の誕生が期待できるだろう。

Clovaを搭載したスマートスピーカーの「WAVE」(画像:LINE2017年12月期第1四半期決算説明プレゼンテーション資料より)

具体的な製品としてはスマートスピーカー「WAVE」が夏に、スマートディスプレイ「FACE」が冬に登場する予定となっている。本記事的にGoogle HomeやAmazon Echoと比較するのは「WAVE」になるが、現時点では写真1点以外ほとんど情報がない。おそらく、LINEメッセージの到着や返信などを音声で行えるほか、LINE MUSICの再生などにも対応するであろうことは予想できる。

LINEとしては、本命はどちらかというと「FACE」のほうになりそうだ。これはスマートディスプレイとはいうものの、本質としては顔のあるコミュニケーションロボットといった様相の製品で、LINEのBot技術なども駆使することで、一人でもコミュニケーション相手になってくれるようなデバイスになるかもしれない。

個人的にもう一つ注目しているのはNTTドコモだ。NTTドコモはあまり目立っていないが、人工知能や音声認識を以前から研究しており、スマートフォン向けの「しゃべってコンシェル」などでその実力を垣間見ることができる。また、同社は技術デモとして音声操作による「コンシェルスピーカー」を報道陣に公開したことがあり、基礎技術としては同等のものを作ることができる。自社開発することは考えにくいが、ダークホースとして覚えておきたい。