ライバルも市場参入目前か

スマートフォンやパソコン用OSの世界では、Google Assistantやアップルの「Siri」、マイクロソフトの「Cortana」といった音声アシスタントが標準技術となって普及しているが、各社ともこうした技術をさらに広め、生活に浸透させるため、新たなデバイス開発が進められてきた。家庭向けのスマートスピーカー製品として最初に登場したのが、アマゾンの「Amazon Echo」だ。

Amazon EchoとEcho Dot(画像:アマゾンプレスリリースより

Amazon EchoにはオリジナルのEchoに加え、スピーカー機能を外して外部スピーカーに接続することを前提とした小型の「Amazon Echo Dot」と、バッテリーを内蔵して外に持ち出すこともできる(代わりに常に待ち受け状態ではなく、名前のとおりタップして起動する)「Amazon Tap」の3モデルがある。

オリジナルとなるAmazon EchoはGoogle Homeを縦に2つ積み上げたくらいの大きさの円筒状のデバイスで、やはりスピーカーを内蔵しているほか、アマゾンの音声アシスタント「Alexa」を搭載している。

例えばiOSのSiriがパーソナルアシスタントであるのに対し、Alexaは搭載されているデバイスがスピーカーであることから、「一家に一台」という前提で開発されたと言われており、周囲のノイズが多い環境でも認識率が高いなど、Siriなどとは開発時点から方向性が異なっている。天気やニュース、Kindleの読み上げ、音楽やAudibleの再生といった機能はもちろんだが、Amazon.comでの注文・再注文などもこなせ、都市部では生鮮品をすぐに配達してくれる「Amazon Fresh」といったサービスと組み合わせることで、主婦などにも便利な製品となっているのだ。

また、Alexaに機能を追加する「Skill」(一種のアプリ。開発者が自由に開発可能)を使って家電の制御もできる。さらにサードパーティにも提供されており、米国で1月に開催された家電向けショー「CES」でも、Alexa搭載製品が自動車や家電を始め700以上も登場している。

発売以来大ヒットを収め、入手困難な状態が長く続いたEchoだが、肝心の音声アシスタント「Alexa」の日本語認識についてはまったくの未知数といったところだ。今回Google Homeが日本導入を発表したことから、アマゾンも年内には日本導入を発表するのではないかと見られているが、米国ほどの人気を収められるかはAlexaが日本語をどれだけスムーズに学習できたかにかなり大きく依存しそうだ。