コンピュータは道具だ。だから、それを使って何か他のことを、効率的に、あるいはより魅力的に実現するために使うべきで、コンピュータを学ぶこと自体を目的とすべきではない。Apple Teacherのプログラムは、単にiPadやMacの使い方を教えられる先生を増やすというのではなく、教室のあらゆる教科で、Appleデバイスとソフトウェアを活用した授業を行える先生を増やしていくことがゴールだ。

iPad向けのApple Teacherの認定を取得するには、デバイス / Pages / Numbers / Keynote / iMovie / GarageBand / 学習効率化 / 創造性、という8つのコースのクイズに、5問中4問正解しなければならない。

デバイスのテーマではAirDropやメッセージといった教室内における協同作業のためのコミュニケーション手段が問われ、またそれぞれのアプリでは、なんらかの授業の中での活用が想定されるときの機能の使い方が問われる。また学習効率化や創造性は、複数のアプリを組み合わせたアクティビティやワークフローに関する問題が出題される。

つまり、デバイスの使い方、アプリの使い方に精通し、それらを組み合わせて授業設計ができる人、あるいは授業目標に向けて、効率性や表現力を伸ばす活用に結びつけられる人を育てていこう、という意図がある。そのための教材も、Swift Playgroundsのように、Apple Teacherの教則本として用意されている。

Apple Teacherの認定は無償で取得できるが、取得した教員は、そのロゴを自分のアピールに利用できる以外のメリットはない。もちろん、学校でMacやiPadを導入した場合、「Apple Teacher認定を取得すること」という研修のゴールに活用することはできるだろう。