デバイスのキャラクターとしての「Air」というキーワードは、前述の通り、無線を前提としたモバイルデバイスであり、小型、薄型、軽量と、バッテリー持続時間を最大化する設計を施す意味合いを帯びてきた。これらはiPad Airで、MacBook Airからのフィードバックも施された。
しかし、Appleは2015年に、Airを冠さないMacBookをリリースした。MacBookは、MacBook Airとよく似た設計だったが、USB-Cポートを1つだけ搭載し、ディスプレイをRetina化するなど、MacBook Airの上位に位置する存在となった。そして、2016年10月に発表されたMacBook Proは、特に13インチモデルではMacBook Airに匹敵する薄さ、軽さを誇りながら、より高性能なスペックを実現している。
2016年3月にリリースしたiPad Pro 9.7インチは、Airを冠していないが、iPad Air 2と同じ薄さ、軽さを実現しながら、より高品質なディスプレイ、4スピーカー、Smart Connector、Apple Pencil対応と、新しいiPadのスタンダードを構成する要素を取り込むことに成功した。
2017年3月のアップデートで、iPad Air 2はなくなり、iPadとiPad Proの2つのラインアップに集約された。MacBookシリーズも、MacBookとMacBook Proに集約されることだろう。MacBookシリーズとiPadシリーズにおけるAirの役割を果たした、Air時代が終わろうとしているのだ。MacBook Airシリーズは近い将来、ラインアップから姿を消すことだろう。