Appleは3月21日に、新製品の発表を行った。注目は赤いモデルのiPhone 7 (PRODUCT)RED Special Edition。そして2017年春のアクセサリの新色コレクションも注目だ。しかし、本稿ではそれらには触れず、Appleのラインアップを通じて起きた変化について、言及していきたい。
それは、AppleのiPadのラインアップから「Air」が消えたことだ。今後復活する可能性もあるのかもしれないが、2017年のこのタイミングで、店頭での在庫分を除き、「Air」を冠する製品はなくなった。
iPad 9.7インチモデルは、ウェブサイトの上ではただ「iPad」と呼ばれている。修理に関連する識別名は「iPad (5th generation)」。無理矢理言うなれば、iPad 5だ。これまで存在していたiPad Airシリーズの最新モデル、つまり「iPad Air 3」ではなかった。
名称変更の理由は単純だ。AppleがAirを名乗らせてきたプロダクト進化の要件から外れたからである。
第5世代のiPadのボディは、初代となるiPad Airと全く同じものだ。具体的には、6.1mmだった厚みは7.5mmへ1.4mm増し、重さも437gから469gへ32g以上重たくなった。これでは、iPad Air 2から進化したデバイス、とは評価できない。
iPadは、iPad Airのボディに、Touch IDと800万画素カメラを搭載し、プロセッサをA9へと変更した製品だ。そして32GBモデルで329ドル、日本円でも37,800円という低価格を実現した。iPad mini 2がラインアップから姿を消したため、最も安いiPadというポジションも与えられている。