この画質で、本当にISO12800!?
では、いよいよ本題。PENTAX KPの暗所撮影性能ついて見ていこう。まずは高感度画質から。以下の撮影結果は、絞りをF8に固定、絞り優先モードで撮影したもの (ノイズリダクションレベルはオート)。こうしてみると機械としては「ISO819200」に対応してはいるものの、その画質はほぼ紫一色。現実的に「使える」とは言い難い。が、そんなことはハナっからわかっていたこと。肝心なのは「実際に使えるのは、どこまで?」という一点だ。
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今回の撮影結果を見る限り、合否の境界線は「12800と25600の間」と個人的には感じた。もちろん、より厳しい目で「6400と12800の間」と見る方もいるだろう。逆に25600でも、手札サイズのプリントやビジネス文書、SNSへの投稿ではまったく問題ないとも思える。
いずれにしても、KPの高感度画質はやはり驚愕のレベルといっていい。普段、夜間の撮影で、ISO 12800を使う人がどれだけいるだろう。少なくとも私は考えたことすらないが、カメラがKPなら話は別だ。
夜景というものは、実は想像よりはるかに暗い。思い切った高感度で臨んでも、極端に遅いシャッター速度が必要で、三脚が必須となることも少なくない。しかし、近頃は三脚の使用を禁止している場所も多いうえ、三脚を常に持ち歩くのもストレスだ。だって、恋人との夜景ドライブに三脚を持って行くのは嫌でしょ?
手持ちでどこまでいけるか?
したがって、今回はKPでスローシャッターの手持ち撮影に挑戦。左右角度ブレ、回転ブレ、左右シフトブレの5軸に対応し、5段分の補正効果を持つというボディ内手ブレ補正機構「SR II」の実力と、リコー広報担当の「1/10秒でも手持ちで撮れます」という言葉の真偽をつまびらかにしてやろうという目論見だ。
以下、作例のほとんどは1/10~1/20秒。それでも驚くほど止まる! もちろん、カメラを両手でしっかりとホールドして慎重にシャッターを切る必要はある。が、それだけで、手ブレが目立ちにくい広角側はもとより、標準域でも十分に手ブレを押さえ込んでくれる。かなり暗い場所にも関わらずだ。これは、手ブレ補正効果だけでなく、「-3EV低輝度対応AE・AF」のサポート (ファインダー撮影時のみ有効) によるところも大きいだろう。
中でも、羽田空港の展望デッキでの撮影は、暗さに加えて傘が飛ぶほどの風雨という厳しい環境だった (1/20秒を使ったのはそのせい)。だが、それを考えればよく止まっていると思う。