グリップ交換システムとスマートファンクション
PENTAX KPの大きな特徴のひとつがグリップ交換システムだろう。購入時には標準で「グリップS」(O-GP167) が付属するが、これが正直やや心もとない。個人的には「グリップM」(O-GP1671 税別4,500円) を最初から付けてほしかった。このほか望遠レンズ装着時の使用感を高める「グリップL」(L O-GP1672 税別5,500円) も用意されている。ただし、グリップLは「バッテリーグリップ」(D-BG7 税別33,500円) にも付属するので、購入を考えている方はご注意を。
操作系は、従来のペンタックス一眼レフを基本としつつ刷新されている。ひと言で表現すると「柔軟なカスタマイズが可能なダイヤル操作系」だ。防塵防滴性能を堅守するため、KPでは操作系にタッチパネルは使えないのだろう。そこで、ペンタックスが考え出したのが「スマートファンクション」。機能ダイヤルによく使う機能を割り当て、設定ダイヤルでそのプロパティを選択する。たとえば、機能ダイヤルで「HDR」を選べば、設定ダイヤルで「HDRのレベル」を選択できるといった具合だ。
機能ダイヤルには4つの固定ポジション (無効、測光方式変更、HDR変更、連続撮影変更) とカスタマイズポジション (C1~C3) があり、カスタマイズポジションには好みの機能を割り当てられる。メニュー画面を経由せずに直接設定できるのは、やはり便利だ。ISO感度やAFモード、カスタムイメージといった定番項目はもちろん、露出補正や情報表示切り替えなど、もともと機能ボタンを持つものをこちらに割り当て、元のボタンには別の機能を割り当てるという手もある。
縦配置の前電子ダイヤルも目を引く。このスタイルはニコン Dfを思い出させるが、ここまで自己主張が強くはなかった。KPのそれは、どんどん回してくれといわんばかりの存在感だ。なお、役割としては多くのカメラの前電子ダイヤルと同様、主にシャッター速度の調節に使用する。露出モード別に機能を設定することも可能だ。
モードダイヤルには、なんと5つのユーザーモードを設定可能。K-3 IIより2つも多い! とにかく柔軟なカスタマイズが可能なので、工夫次第でどんどん使いやすくなるカメラなのだ。