対応最高感度ISO819200。他社の同クラス新製品が最高感度ISO 12800を謳っている中にあって、「PENTAX KP」のそれは衝撃的なフレーズだった。そして、CP+2017レポート記事の「リコー広報によれば、1/10秒でも手持ちで撮れます」という一文も、半信半疑的な意味合いも含めて話題となった。今回は、それら事前情報を検証すべく、PENTAX KP実機で夜景撮影に臨んだ。

リコーイメージング「PENTAX KP」。本体やレンズのデザインには、いっそう気を使ったとのこと。ボディ単体の実勢価格は税込135,000円前後。最近のペンタックスらしいカッコ良さがある

実写作例 1/10秒 f2.8 30mm相当 ISO6400 暗部がしっかりと表現されていることに注目。クリックして拡大後、さらに原寸データを表示可能

直線を多用した個性的な外観

PENTAX KPは、有効画素数約2,432万画素のAPS-Cセンサーを搭載した一眼レフカメラだ。外観は「PENTAX K-3 II」から大きく変わっているが、視野率約100%の光学ファインダー、27点測距AFや防塵防滴仕様など、基本仕様はK-3 IIにかなり近い。

なお、今回のレビューにあたって借りたレンズは、「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」(実勢価格 税込85,000円前後)。KPにサイズも操作性もベストマッチの新レンズだ。

有効画素数約2,432万画素のAPS-Cセンサーを搭載

HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR (左) は、昔懐かしいペンタックス・タクマーレンズの外装をオマージュしている。レンズキャップも金属製だ

KPのサイズは131.5×101×76mm。K-3 IIと比較すると意外にも、高さと厚みがそれぞれ1.5mmほど小さいだけで、ほぼ同じ大きさといっていい。手のひらに角が当たる感覚は好みが分かれるかもしれないが、KP本体を手に取ると、その数値を超えたコンパクトさを感じる。直線主体で構成されたフォルムがそう感じさせるのだろうか。

直線で構成されたフォルムと縦に配置された電子ダイヤルが特徴的な正面

側面には多くのボタンがある。フォーカスモード切替レバーのそばにAFモードボタンがあるのは新発想。グリップSの形状は好みが分かれそうだ

背面のボタン数は最低限に抑えられている印象

数値以上にコンパクトなイメージ

グリップSの握りが浅いことがよくわかる