また、POSや複写機で実績を持つスーパーやコンビニなどに対するデジタルサイネージの提案や、教育分野への映像ソリューションの提案など、これまでの販路に+αの価値を提案していくことで、販売拡大を目指すほか、映像ソリューションにおいても、複写機同様に、コンルサティングからシステム構築、コンテンツ制作、設置工事、コンテンツ配信、保守・メンテナンスまでをトータルでサポートする体制を構築。ストック型のビジネスへと発展させることで、収益に貢献させる体制を構築する考えだ。

鴻海と共同開発した商材

もうひとつ、今後のビジネスソリューション事業において見逃すことができないのが、鴻海との連携だ。

シャープは、2017年2月21日、22日の2日間、東京・池袋のサンシャインシティにおいて、「シャープビジネスソリューションフェア 2017」を開催。そこで、鴻海精密工業と共同開発した超短焦点プロジェクターを参考展示した。

鴻海精密工業と共同開発した超短焦点プロジェクター

今年夏の販売を予定しており、価格は数10万円。シャープとしては、5年ぶりのプロジェクター製品。ビジネスプロジェクターとしては、7年ぶりの再参入となる。

オフィスの会議室での利用のほか、ショーウインドウなどの透明パネルに、後ろ側から映像を投影すれば、シースルーでの映像を投影できるという。

「これらの製品も、複写機やPOSを販売している顧客に提案できる製品。鴻海には、プロジェクターひとつをとっても、多くのラインアップがあり、これにシャープの商材や技術を組み合わせれば、新たな提案ができる。新たなビジネスチャンスが生まれる」とする。

同フェアでは、Windows 10 IoT Enterpriseを搭載したタッチPOSターミナルも参考展示したが、これも、鴻海との共同開発によるものだ。

鴻海精密工業と共同開発したタッチPOSターミナル

「鴻海には、これ以外にも、ネットワーク機器、PC、サーバー、NAS、車載機器、ATM、携帯デバイスなど様々な商材がある。そのなかから、日本に最適な製品を日本に持ってきたい」と中山専務は語る。NASに関しては、日本での取り扱いをすでに視野に入れているようだ。

シャープのビジネスソリューション事業は、104年の歴史を持つシャープのなかでも、45年という長い歴史を持つ事業だ。 商材の横展開とともに、ストック型ビジネスの拡大、そして、鴻海が持つ商材を活用することで、今後の成長戦略を描く考えだ。地味な事業ではあるが、シャープの経営再建を下支えする事業のひとつであることは間違いない。