MWC 2017の会期中、NetflixのCEO 兼 共同創業者であるリード・ヘイスティングス氏がキーノート講演の壇上に立ち、イェリン氏が語ったものと同じように、モバイル端末に関連した今後の戦略の重要性をアピールした。

ヘイスティングス氏は壇上で「ダイナミックオプティマイザー」という名称については明らかにしなかったものの、「データ通信量を低く抑えるべき、セルラーネットワークに限定された視聴環境では、低ビットレート伝送で高画質な動画視聴が実現できる技術が求められる。Netflixではこれを実現するための開発にいま全力で取り組んでいる」と述べた。

キーノートの壇上にあがったリード・ヘイスティングス氏。大勢の来場者が集まる中、モデレーターとの対話形式で実施された

LG G6がNetflixのスマホ向けHDRコンテンツへの対応を明言したことについても触れ、「これはNetflixが動画視聴の新しいスタイルを切り開いていくための大きなチャンスでもあると認識している。モバイル体験がリッチになるほど、映像も高品位に楽しめるようになるべきなのは当たり前。引き続き最高のコンテンツを創ることに全力を注ぎつつ、スマートテレビ、スマートフォンの双方に向けて柔軟に対応していきたい」とコメントしている。

オンライン動画再生のカルチャー全般に対してNetflixが果たしてきた役割についてもコメント。動画の違法ダウンロードに対しては「Netflixならばグレードの高いコンテンツを手軽に、かつ適正な価格で楽しめるので、わざわざリスクを冒しながらコンテンツを見るという選択に意味がないということが広く浸透してきたと思う」として、素晴らしいコンテンツを提供し続けることの大切さを説いた。

また今後の取り組みについては、テクノロジーのトレンドを先見しながら、同時に他の動画配信サービス、プラットフォームと連携を図り、健全な映像文化を発展させていくための様々なチャレンジに身を投じていきたいと意気込みを語った。