EOS 9000DのAFと画質は
測距エリア選択やISO感度は、設定ボタンの位置や形状こそ変わらないが、中身が大きく進化した。まず、AF測距エリアはEOS 8000Dのオールクロス19点から、EOS 9000Dではオールクロス45点に。また、測距エリア選択モードとして従来の「1点AF」「ゾーンAF」「自動選択AF」に加え、新たに「ラージゾーンAF」が利用可能となった。被写体の位置を大まかに指定したうえで、微細なピント合わせはカメラ任せにしたい場合、たとえば運動会の徒競走撮影などで活躍しそうだ。
AFについても触れておきたい。撮像センサーは、両機ともAPS-Cサイズ・有効約2,420万画素のCMOSセンサーだ。ただし、撮像センサー上に位相差AFセンサーを部分的に配置した「ハイブリッド CMOS AF III」だった8000Dに対し、9000Dは70Dや80Dと同様の「デュアルピクセル CMOS AFセンサー」を採用。
デュアルピクセル CMOS AFセンサーは、その名の通り、2つのフォトダイオード (撮像センサー+位相差AFセンサー) によって各画素が構成されているので、全有効画素の情報を利用して位相差AFによる高速合焦を行える。
したがって、ライブビューでもファインダー使用時同等の高速AFが行えるのだ (実際にはライブビュー画面の中心から80%×80%エリアがAF適用エリアとなる)。キヤノン社内の測定ではライブビュー撮影時のAFで0.03秒という合焦速度が計測されており、これは世界最速のとのことだ。
さらに、ライブビュー・動画撮影時には新AFモードとして「スムーズゾーンAF」が選択可能。スタンバイ時からAF動作中、合焦後まで、ゾーンAFのフレーム内で被写体を追い続ける。
映像エンジンは、8000Dの「DIGIC 6」から、9000Dでは「DIGIC 7」となり、画質や機能が向上。その恩恵のひとつが高感度撮影性能だ。8000DのISO感度設定は100-12800だったが、9000Dでは静止画で100-25600となり、動画でも100-12800が選択できるようになった。8000DでもISO拡張設定で25600を設定できたが、あくまで非常手段。それが標準設定で選べるようになった意味は大きい。