シーンに合わせて本体を変形可能

前述の通り、本機はヒンジの角度によって4つのモードに変形できる。ここでは、それぞれのモードでの使い勝手を紹介しよう。

まず「ラップトップ」モード時は、通常のノートPCとなんら変わりなく使用することができる。液晶ディスプレイはグレア(光沢)パネルで映り込みはそれなりにあるが、パネル周辺の額縁部分が狭いこともあって画面への没入感はかなり高い。キーボードはバックライト内蔵のアイソレーションタイプで、キーピッチは約19mmと余裕のあるつくり。ストロークは浅めだが違和感を覚えるほどではなく、しばらくタイプしていればすぐ慣れてしまうだろう。

ラップトップモードで静止画を表示したところ。狭額縁のため画面への没入感が高い

アイソレーションタイプのキーボード。従来モデルでは、Enterキーの横にHome/End/PgUp/PgDnキーが配置されていたが、新モデルではなくなっている

従来モデルでは、EnterキーやBack spaceキーの右に独立したHome/End/PgUp/PgDnキーが配置されていたが、本機ではそれらのキーは省略されており、代わりにキーコンビネーションで同等の操作が実現されている。個人的にはこれらのキーはあまり使わないので従来モデルよりタイプしやすくなったと感じた。若干違和感があるとすれば、Enterキーと「む」のキーが一体になっているように見える点だろうか(実際は分離している)。使っていてこの2つのキーを間違えて押すことはなかったものの、慣れるまで多少戸惑ったのは事実だ。

キーボードはバックライトを内蔵しており、暗所でもキーを判別しやすい

Enterキーと「む」のキーが一体になっているように見えるのが多少気になった

タッチパッドはボタンが一体になったタイプで、操作エリアが広く指の滑りも良い。マルチタッチの反応も良く各種ジェスチャーも快適に行うことができた。パームレストの右側には指紋センサーが内蔵されているが、指紋認証のレスポンスはかなり良い方で、Windows Helloなどで積極的に使用してみたいと思った。

タッチパッドは操作エリアが広く、各種ジェスチャーが快適に行える

パームレストの右側には指紋認証センサーが内蔵されている

「スタンド」モード時は、キーボード面が底を向くため物理的なキー入力やタッチパッド操作はできなくなるが、机の上などに置いた時に安定感はある。また画面を直接タッチしても本体が不用意に動いてしまうことがないため、静止画やWebの閲覧など、ビューアとして使用するのには最適だ。特に4K液晶モデルだと、一眼カメラなどで撮影した写真を表示した際に部分拡大しなくてもディテールが確認しやすいのがいい。

スタンドモードに変形したところ

ルビのような小さな文字もにじまず視認できるため、電子書籍も非常に読みやすい印象だった。なお、ラップトップモードとスタンドモードでは、Webカメラの位置が液晶画面の下にくるため、ビデオ通話などは上から覗き込むような形になってイマイチ使いづらいのは少々残念だ。

「テント」モード時は、ラップトップやスタンドモードに比べると若干安定性に欠けるものの、狭い場所にも置きやすいという大きなメリットがある。また、Webカメラが液晶画面上にくるため、ビデオ通話などに使いやすいのもポイント(その代わりベゼル部分にある「Lenovo」のロゴが上下逆さまになってしまうが)。画面を指で押した際に本体が動きやすいため頻繁なタッチ操作が求められるコンテンツには向かないが、動画のようなコンテンツには最適だ。

テントモードに変形したところ

テントモードで動画を再生しているところ。テントモードは動画やスライドショーなど、一定以上の時間操作しないコンテンツに向いている

「タブレット」モード時は本体を完全に2つ折りにした状態になるが、厚みが14.3mmとスリムなため思ったよりも持ちやすい印象。ただし、質量が約1.38kgあるため、片手で持つとずっしりとした重さを感じる。今回は横位置と縦位置の両方で使ってみたが、横位置だと額縁部分が狭いため液晶部分にまで手がかかって誤操作が起きやすかった。額縁部分を掴んで支えるのではなく、裏面に手を回して支えるなど、持ち方を工夫した方が良さそうだ。

タブレットモードにして横位置で使用しているところ

タブレットモードにして縦位置で使用しているところ

ちなみに、裏面にはキーボードがあり必然的に手で触れてしまうことになるが、タブレットモード時はキー入力が無効になっているため誤入力が起きる心配はない。縦位置の場合はヒンジ側のマージンに余裕があるため、そこをつかむように持つと安定した操作が可能だ。その際、Webカメラやマイク穴を手で塞いでしまいがちなので、これらの機能を使う際は手がかからないように気をつけるなどの配慮が必要になりそうだ。

このほかにも、ディスプレイを180度倒して完全にフラットな状態にすることもできる。打ち合わせや商談などで対面した相手に画面を見せながら操作したい時などにはとても便利だ。

ディスプレイを180度回転して完全にフラットな状態にすることもできる