694.57ドルという販売価格は、iPhoneがより高付加価値スマートフォンとして人気を集めている証拠となる。しかしながら、個人的な印象として、販売台数5%増に対する売上高上昇の割合5%という数字は、いささか少ないように感じる。

例えば、前期との比較をすると、販売台数は72%上昇しているのに対し、売上高は93%もの上昇幅となった。ところが、前年同期比で比較すると、販売台数も売上高も5%ずつの上昇だった。もしも、iPhoneの販売がより大きなストレージと、より大きなディスプレイのモデルに偏れば、販売台数以上の売上高上昇を招くはずだ、ということだ。そうなっていない理由は、低価格モデルの存在がある。

iPhoneの現行ラインナップ

2016年3月に発売した4インチディスプレイを搭載するiPhone SEは16GBモデルが399ドルから購入できる。またiPhone 6s 32GBモデルは549ドル、iPhone 6s Plus 32GBモデルは649ドルからというラインアップだ。ちなみにiPhone 6s・iPhone 6s PlusはiPhone 7シリーズ登場以降、100ドル安くなり、しかもストレージが16GBから32GBに倍増するお得なモデルとなった。

iPhone 7が好調なことは疑いないが、売上高の上昇が販売台数の増加と同程度に抑えられたのは、より販売価格の安いモデルも好調に動いたことが背景にあると見てよいだろう。