iPhoneの販売台数は2017年第1四半期で5%増となったが、売上高も5%増となった。この中で注目すべきは、1台あたりのデバイスの価格だ。
ご存じの通り、米国でのSIMフリーのiPhoneの販売価格は、ストレージが1段階増加すると100ドル高くなり、画面サイズが大きくなると100ドル高くなる、というシンプルな価格体系だ。メモリやディスプレイの差額が100ドルにならないことから、価格設定への疑問を抱く人もいるかも知れないが、そのルールで長年販売が続いてきた。これは言い換えると、より大きく、容量の大きいデバイスの販売比率が高まれば、Appleの利益率も大きくなっていく、ということだ。
2017年第1四半期のiPhone販売の売上高と販売台数を単純に割り算すると、1台あたりの販売価格がわかる。計算してみると、694.57ドルとなった。iPhone 6s・iPhone 6s Plusを導入して迎えたホリデーシーズンにあたる2016年第1四半期は690.50ドル、iPhone 7シリーズがわずか2週間しか販売されていなかった前期2016年第4四半期は618.72ドルだった。
このことからも分かるとおり、2017年第1四半期に販売されたiPhoneの平均単価は大幅に高くなっていることが分かる。最廉価なモデルとなる32GBのiPhone 7の価格はこれまでと変わらず649ドルであったにも関わらず、その数字よりも45ドルあまり高くなった。
Appleはカンファレンスコールで、iPhone 7 Plusの販売比率が最も高かったとアナウンスした。前述の通り、iPhone 7 PlusはiPhone 7に比べ100ドル高い749ドルから販売される。より大きなディスプレイを搭載する販売価格の高いモデルについて、デュアルカメラという新たな魅力を添えて、価値を高めている点も、マーケティング上重要な施策だったと振り返ることができる。
iPhoneを長年使っているユーザーは、最も少ないストレージでは容量不足を実感しており、iPhone 7を選ぶユーザーであっても、100ドル、あるいは200ドル高いより多いストレージを搭載するモデルを選択するようになる。
例えば、128GBモデルのiPhone 7 Plusを購入しようとすると、iPhone 7 32GBモデルよりも200ドル高い849ドルになる、ということだ。これによって、1台あたりの販売価格の上昇をもたらしている。