Appleは2017年1月31日に、2017年第1四半期決算を発表した。Appleのビジネスの6~7割を占めるiPhoneの販売台数に注目が集まっていたが、結果は過去最高だった前年同期比5%増の7,829万台を販売した。

iPhoneの販売台数は2016年第2四半期から3期続けて、前年同期割れとなっており、AppleとiPhoneの時代は終わったとまでささやかれた。しかし、大きなデザイン変更がなかったにもかかわらず、iPhone 7シリーズをリリースして迎えたホリデーシーズン、Appleはビジネスを正しく進めていたことが証明された。

2017年第1四半期決算で発表されたiPhoneなどの販売台数と売上高

2015年からの四半期ごとのiPhoneの販売台数のデータを見ると、2015年第1四半期に7,447万台を販売した。この数字は2014年第1四半期に比べ3割増という驚異的な伸びを見せた。2015年第2四半期は、6,177万台を販売している。前年同期比で28%増だったが、2014年に最も多く売れた第1四半期と比較しても16%増となっており、いかに2015年前半の販売が伸張したかが分かる結果だ。

この時期に販売されていたのはiPhone 6とiPhone 6 Plus。これまで4インチというサイズを守ってきたiPhoneが、4.7インチ、5.5インチへと大型化したタイミングだった。同時に中国市場でのiPhone販売が本格化した時期とも重なった。iPhone 6シリーズの販売は特別な状況だった。2016年第1四半期こそ新製品効果で前年同期費微増を確保したが、その後の販売減は、その副作用であったと結論づけてよいだろう。

Appleのビジネスは、2015年第1四半期を境に、iPhoneへの依存度を一段と高めている。2012年から2014年までは、Apple全体の売上高のうち、iPhoneの割合はおおよそ50%台で推移してきた。ところが、2015年第1四半期、iPhone 6登場を境に、60%台に乗り、特にiPhoneの販売が強まる第1四半期は、2017年も含め、69%と、7割に迫るほどになってきた。iPhoneへの依存を強めた背後にはiPadの低迷があり、iPhoneの画面の大型化がiPadに影響を与えているという相関関係を示唆するものとなっている。